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事業内容
Xcel Energy Incは、米国の中西部と南西部を中心に電力と天然ガスの発電、送配電、販売を行う大手規制公益事業者です。同社は従来の火力や原子力発電に加え、風力や太陽光などの再生可能エネルギーを拡大し、系統の近代化や顧客向けのエネルギー管理サービスにも注力しています。
同社の主要な顧客は家庭、商業、工業の小売需要と卸売市場で、基本的には規制料金収入が事業の中心です。収益は電力・ガスの販売収入に加え、送配電利用料や長期契約、燃料費調整などの仕組みで構成され、比較的安定したキャッシュフローを生み出しています。
事業は大きく規制電力事業と規制天然ガス事業、送配電サービス、そして再生可能エネルギーや省エネプログラムなどの「その他」セグメントに分かれます。具体的には発電所の運営や購入電力契約、送電網の拡張・強靭化、顧客向けの節電プログラムや高度な計測・デジタルツールの導入を通じて、クリーンエネルギーへの移行と顧客の料金抑制を両立させる戦略を進めています。
経営方針
同社は長期的に株主に魅力的な総合リターンを提供することを成長戦略の中心に据えています。具体的には、2024年の継続的な1株当たり利益(基準値として中間点3.55ドル)を起点に年間EPSを6〜8%成長させ、配当は毎年4〜6%ずつ引き上げ、配当性向を50〜60%に維持することを目指しています。また、シニア担保付き債務の格付けをAレンジで維持する方針で、短期的には設備回収によるキャピタルライダー収入が年額で純額約2億6,000万〜2億7,000万ドル増加すると見込むなど、規制収入と資本回収を成長の柱にしています。
重点投資分野は再生可能エネルギーと顧客の料金負担抑制にあります。過去10年間で再エネと節電プログラムに20億ドル以上を投じ、需要増に対応するため送配電網を強化しています。運営面では「One Xcel Energy Way」に代表されるリーン経営で効率化を進め、2020年以降で約5億ドルの恒常的なコスト削減を実現しました。さらに「Steel for Fuel」戦略により2017年以降で約50億ドルの燃料コスト回避を達成しており、これらを通じて「顧客の請求額をインフレ率以下に抑える」ことを差別化要因としています。
新市場や事業拡大では、データセンターの進出や産業の電化、電気自動車の普及に伴う新規需要を積極的に取り込む計画です。具体的にはスマートメーターの導入でほぼリアルタイムの通信を実現し、顧客向けのデジタルツールで電力使用の可視化と節約を促します。地域経済への関与も重視しており、2024年には24件の経済開発プロジェクトを開始し、約51億ドルの資本投資と約3,200の雇用創出が見込まれる案件を支援しています。
技術革新への取り組みは、運用効率と信頼性向上、および顧客サービスの向上を狙いに進められています。スマートメーターや先進的な運用技術を導入して系統の状態を可視化・最適化し、分散型電源や再エネの受け入れを円滑にするグリッド改良を行っています。加えて、節電プログラムや性能連動のインセンティブを組み合わせることで、技術投資が中長期的に顧客負担を下げるよう設計している点が特徴です。