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XBP Global Holdings, Inc.XBP
事業内容
XBP Global Holdings, Inc.は、請求書や支払いの処理を中心に、企業の支払い業務とそれに関連するデジタル化を支援するサービスを提供しています。同社は独自のソフトウェアと運用機能を組み合わせて、請求・支払いの自動化やデータ管理、セキュリティ対策を含む包括的なソリューションを展開しています。
同社は欧州を中心に中小企業から大手金融機関、公共分野や保険・医療分野まで2,000社超の顧客を抱えており、収益は主にトランザクション処理から発生しています。2024年の売上高は約1.51億ドルで、請求・支払い関連の「Bills & Payments」セグメントが約1.10億ドル(約73%)、ソフトウェアや保守・プロフェッショナルサービスを含む「Technology」セグメントが約4,100万ドル(約27%)を占めています。
同社の事業は大きくBills & PaymentsとTechnologyの二つの報告セグメントで構成しており、主な製品・サービスにはXBPプラットフォーム、Request to PayやConfirmation of Payeeといった支払い関連機能、XBP Omnidirectによるコミュニケーション管理、AIを活用したReaktr.aiによるサイバーセキュリティとデータ管理、ERPデータ統合やデジタル・メールルーム、ワークフロー自動化などが含まれます。これらはクラウド、オンプレミス、ハイブリッドの形で提供し、取引数ベースや複数年契約、永続ライセンスなど顧客のニーズに応じた柔軟な契約形態を採っています。
経営方針
同社は中長期的に売上と取引量の拡大を目指しています。2024年の連結売上高は約1.51億ドルで、そのうち請求・決済分野が約1.10億ドル(約73%)を占めており、同社はまずこの取引処理基盤を成長の起点としています。具体的には既存顧客2,000社超へのクロスセルや、1顧客当たりの処理件数を増やすことで取引比率を高め、クラウドやオンプレミスの柔軟な導入形態を通じて年間数億件に達する決済処理の拡大を図ることを目指しています。
同社は技術投資と業務の強化に重点的に資源を投じ差別化を図っています。近年はクラウド型のコミュニケーション管理プラットフォーム「XBP Omnidirect」や、AIを活用したサイバーセキュリティ・データ近代化サービス「Reaktr.ai」を立ち上げ、これらをコア製品として育成する方針です。また、請求・支払や会計周りを横断する統合ソリューション、柔軟なライセンス体系(取引上限型や複数年契約、買切り等)を提供することで、大手金融機関を含む顧客に対する「ワンストップ」提案を強化しています。さらに、ETIとの知的財産ライセンスや多国籍で多言語対応可能な運用拠点(15か国、32拠点)を活用し、競合との差を作ろうとしています。
同社は新市場開拓と事業拡大を積極的に進めています。まず英国で展開している支払確認や支払依頼のソリューションを他の欧州市場へ横展開する計画を打ち出しており、EMEA地域での顧客基盤拡大を目指しています。加えて、決済機能を補完するために決済代行業者としての登録(Payment Service Provider)取得を検討しており、これが実現すれば自社プラットフォーム上での決済収益の取り込みを強化できます。既存顧客の上位100社で約79%の売上を占める強固な顧客基盤を活かしつつ、新規大口案件の受注にも注力する方針です。
同社は技術革新を経営の柱と位置づけ、AIやクラウド、サイバーセキュリティへの投資を継続しています。Reaktr.aiによるデータ近代化/クラウド移行とAI活用を中核に据え、自動化やワークフロー最適化で人手コストを下げつつサービス品質を高めることを目指しています。サイバー面では業界標準に基づく統制(例えばNISTに準拠した体制)を整備し、財務報告の内部統制強化のために専門組織(Center of Excellence)を設置するなど、技術面・統制面の両方で事業の信頼性と拡張性を高める施策を実行しています。