Western Union COWU

時価総額
$26.4億
PER
消費者向け送金サービスの最大手。小売代理店ネットワークとブランド化デジタル送金(ウェブ・モバイル)を展開。送金収益が総収入の90%を占め、2023年7月のBusiness Solutions事業売却を実施。200超の国・地域でエージェント網を展開。

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企業概況
107文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Western Union Co.は世界中で個人間の国際送金と関連決済サービスを中心に事業を展開する企業です。同社は現金での受取が可能な広範な代理店網と、自社のウェブサイトやアプリによるデジタル送金を主力に、速やかに資金を移動できるサービスを提供しています。

主要な顧客は出稼ぎ労働者や海外に家族を持つ個人などの送金者とその受取人で、旅行者や小規模な商取引を行う個人も含まれます。同社の収益は送金手数料と為替差益が中心で、2024年時点で約90%が個人向け送金事業からの売上となっており、消費者向け送金が収益の大部分を占めています。

事業は「Consumer Money Transfer」と「Consumer Services」の二つのセグメントに分かれており、前者は代理店とデジタルチャネルを通じた個人間送金を地域別の体制で支え、世界200か国以上、数十万の代理店で取引を処理しています。後者は請求書支払い、マネーオーダー、外貨両替、プリペイドカード、デジタルウォレットや提携による融資などの小口決済サービスを含み、送金以外の収益源として機能しています。

経営方針

同社は主力の越境送金ビジネスを軸に、安定したキャッシュ創出と投資適格の資本構成維持を成長の最優先に据えています。2024年の売上高は約42.1億ドルで、そのうち消費者向け送金が約90%を占めています。財務面では、リボルビングクレジットやコマーシャルペーパー等を活用して流動性を確保し、借入条件として求められる「調整後EBITDAに対する利息カバレッジ比率>3:1」を満たすことを目標にしており、2024年は実績で9:1となっています。株主還元も重視しており、四半期配当は1株あたり0.235ドル、また取締役会は上限10億ドルの自社株買い枠を承認しています。

重点投資分野は情報技術とチャネル強化で、2024年の資本支出は約1.306億ドル(ソフトウエアやITインフラ等)でした。コスト構造の最適化として2022年10月に発表した「費用再配分プログラム」を通じ、ベンダー管理、オフィス・不動産の最適化、マーケティングや人件費の見直しで得た余力を戦略投資に振り向けています(プログラム費用は2024年までに約9270万ドル発生)。差別化面では世界200か国超・約38万箇所の代理店ネットワークと、即時性やブランド信頼性を武器に、消費者が短時間で現金や口座へ送金できる利便性を提供している点が強みです。

新市場や事業構築の方針としては、コアの送金に加え、消費者サービス領域(請求支払、外貨販売、プリペイド、デジタルウォレット、貸付提携など)の拡大を図っています。消費者サービスは2024年に全体の約10%を占めており、同社はこの比率の拡大やデジタル取引の伸長を通じて収益構造の多様化を目指しています。一方で、事業売却(例:Business Solutionsを総額9.10億ドルで売却)や今後の買収を通じた選択と集中を進める計画であり、買収後の統合コストや規制対応が収益に与える影響を慎重に管理する方針です。

技術革新には継続的に投資しており、ウェブ・モバイルを含む「Branded Digital」チャネルの拡充やクラウド、データ基盤、サイバーセキュリティの強化に重点を置いています。新サービスの定期的導入で顧客ニーズに応える一方、開発遅延や顧客の採用リスク、パートナー企業との連携維持といった課題も認識しており、費用再配分プログラムで捻出したリソースを技術投資と運用効率化に振り向けることで、スピードと安全性を両立させることを目指しています。