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事業内容
Whirlpool Corporationは家庭用・業務用の大型・小型家電を企画・製造・販売するグローバルなメーカーです。同社は冷蔵庫、洗濯機、乾燥機、レンジ、食器洗い機を主力製品とし、近年はフードディスポーザや瞬間湯沸かし器といった小型家電も強化しています。製品は使い勝手や省エネ性、ネット接続機能の向上を軸に展開しています。
同社の主要顧客は家電量販店や大手小売、住宅メーカー、大口購買グループなどの取引先で、これらへの販売が売上の大部分を占めています。加えて自社サイトや直販、インターネット販売も拡大しており、卸売と直販の両方で収益を構築しています。
同社は事業を北米、ラテンアメリカ、アジアの大型家電セグメントとグローバルな小型家電セグメントの四つで運営しています。各セグメントは地域ごとの需要に合わせた製品ラインと生産・販売体制を持ち、製品開発や価格政策を地域戦略に基づいて実行しています。さらに商業用機器や省エネ・デジタル連携製品への投資を進め、より高成長・高収益のポートフォリオへ移行する取り組みを進めています。
経営方針
Whirlpoolはポートフォリオの最適化を通じて「より高い成長とより高い利幅」の実現を目指しています。具体的には欧州の主要家電事業をArçelikとの新会社に組み入れるなどの売却・寄与を進め、2025年の見通しではGAAPベースの1株当たり希薄化後利益を約$8.75と見込み、営業活動によるキャッシュ約$1 billion、フリーキャッシュフローを約$500〜600 millionと想定しています。さらに純コスト削減策で$200 million超の効果を目標にしており、株主還元の一環として四半期配当の$1.75/株や残余の自社株買い枠(2024年末時点で約$2.5 billion)が存在します。同社はこれらの数値目標を達成することで収益性の改善と安定したキャッシュ創出を図ることを目指しています。
投資の重点分野は小型家電、キッチン・ランドリー等の大型家電、そして業務用機器の三つの柱に集中しています。差別化戦略としては製品の省エネ性能や接続機能の強化、新製品投入による品揃えの刷新、そしてコスト生産性向上によるマージン改善を掲げています。実際の施策としては、2022年のInSinkErator買収(約$3 billion)などのM&Aによる製品レンジ拡充、2024年に実施した組織の簡素化や「Accelerator Centers of Excellence」の導入による業務効率化、そして2024年に計上したリストラクチャー費用約$79 millionでの人員最適化が挙げられます。これらにより同社は製品力とコスト競争力の両面で差別化を図ろうとしています。
新市場開拓や事業再編については、事業ポートフォリオの入れ替えと選択と集中を進めています。ロシアやMENA地域の撤退、欧州事業の寄与取引、そしてWhirlpool Indiaの持分縮小(2024年の売却で約$462 millionの資金回収)などを通じて資本配分を見直し、高成長が見込める地域や事業に資源を再配分する計画です。販売チャネル面では直販(ブランドサイト等)の拡充を推進しており、地域別の需要見通しとしては北米が横ばい、ラテンアメリカは0〜3%、アジアは3〜5%程度を想定しています。同社は市場環境に応じた事業構造の変革とチャネル多様化で成長機会を追求することを計画しています。
技術革新への取り組みは製品の省エネ化や接続・デジタル機能の強化に重点を置いています。新製品やソフトウエア連携、デジタルサービス展開を通じて顧客体験を高める一方で、知的財産の保護やサイバーセキュリティの管理を強化してリスク低減を図っています。加えて生成型AIなど新技術の採用可能性も認識しており、研究開発投資や外部パートナーとの協業でスピード感ある商品化を目指しています。資本支出は2025年に約$450 millionを見込んでおり、同社はこれらの投資によって製品競争力とデジタル化を同時に進めることを目指しています。