- 米国企業
- Wendy's Co
Wendy's CoWEN
ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン
- 企業概況
- (108文字)
- 業績概況
- テーマ
- (2項目)
- ブランド
- (1項目)
- ライバル企業
- (4社)
- 同業種の日本企業
- (3社)
事業内容
Wendy's Coは、世界各地でクイックサービスレストランを展開する外食チェーンで、看板商品のスクエアハンバーガーを中心にチキンサンド、サラダ、チリ、ベイクドポテト、デザートのFrostyや朝食メニューなどを提供しています。同社は店舗での対面販売だけでなく持ち帰りや配達にも対応し、顧客の利便性を高めています。
主要な顧客は外食を利用する一般消費者で、来店客と配達需要が売上の中心です。同社の収益構造は直営店の販売収入に加え、フランチャイズからのロイヤルティやフランチャイズ手数料、フランチャイズ向けの賃料収入、広告基金への拠出など複数の柱で成り立っています。
事業は主に米国の直営店を扱うWendy’s U.S.、海外展開を担うInternational、そして不動産やフランチャイズ開発を行うGlobal Real Estate & Developmentのセグメントに分かれています。同社は一部の土地・建物を保有して賃貸する一方で、フランチャイズ支援、デジタル注文や配達連携、顧客ロイヤルティ施策などに投資してブランドの拡大と運営効率の向上を図っています。
経営方針
Wendy’sは成長を「既存店の強化」と「フランチャイズ拡大」の両輪で進めています。直近の業績では2024年の総収益が約2,246.5百万ドルで、グローバルの既存店売上は前年比で+1.5%、2年累計では+5.8%と回復基調にあります。加えて、同社は直営店の営業利益率を改善しており、グローバルの直営店マージンは2024年に15.4%(前年より80ベーシスポイント改善)としています。財務政策としては株主還元にも注力しており、2023年に承認された株式買戻しプログラムは最大5億ドルで、配当は四半期ごとに0.25ドルを支払う方針を継続しています。こうした収益改善と資本政策の両面で、同社は持続的な成長を目指しています。
同社が重点的に投資している分野は「商品力」と「システム強化」です。商品面では鮮度の高い牛肉を中心とした差別化メニュー(スクエアパティや特徴的なサイド・デザート等)を訴求し、顧客の支持を得ることで来店頻度と平均客単価の向上を狙っています。運営面では組織再編を実施して意思決定の迅速化と管理コストの抑制を目指しており、再編関連費用として総額約1,800万ドル(うち現金支出見込み約1,500万ドル、2026年まで)が見込まれています。さらにフランチャイズ支援では新規出店向けの優遇や「ビルド・トゥ・スーツ」開発資金を提供し、加盟店による展開を後押しすることで資本効率の高い成長を図っています。
海外・新市場の開拓ではフランチャイズ主体の拡大を基本戦略としています。2024年末時点で全世界の店舗数は7,240店、そのうち直営店は381店で、残りはフランチャイズが中心です。新規出店については加盟店との開発契約で一定数の出店を約束させる仕組みや、出店インセンティブを通じて開発を促進しています。一方で、システム全体の健全化を優先して収益性の低い店舗は整理しており、結果として店舗数は短期的に横ばいでしたが、長期的には成長市場への選択的投資でネット出店を拡大する計画です。フランチャイズ関連の収入も伸びており、2024年のフランチャイズ料・ロイヤルティ収入は約626.0百万ドルに達しています。
技術革新には積極的に資源を投入しており、消費者接点のデジタル化を重要な成長ドライバーと位置付けています。具体的にはスマートフォン向けアプリや会員制度の強化、外部配達業者との提携による配達網整備に取り組み、これらの電子チャネル売上は2023年の約13.2%から2024年に約17.6%へと高まっています。併せて情報セキュリティの内製化や専門家による外部評価、社員向けのサイバー訓練、インシデント対応計画、サイバー保険の整備などで安全性を高め、デジタル化の拡大が事業リスクにならないよう備えています。こうした技術投資で顧客利便性と業務効率を高め、同社は持続的な売上拡大と利益改善を目指しています。