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WESTERN DIGITAL CORPWDC
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事業内容
WESTERN DIGITAL CORPはデータを保存する機器やソリューションを設計・製造する企業です。同社は主に大容量のハードディスクドライブやフラッシュメモリを使った製品を手がけ、特にデータセンター向けの大容量ストレージに強みを持っています。記録ヘッドや磁気媒体の設計・生産を自社で行い、性能と信頼性の確保に注力しています。
同社の主要顧客はクラウドサービス事業者や大手コンピュータメーカー、OEM、流通業者で、クラウド向け需要が売上の大半を占めています。実際に2025年はクラウド市場が売上の約88%を占め、特定の大手顧客への依存度が高い収益構造になっています。販売は世界の拠点と流通網を通じて行い、顧客の設備投資や景気の波に収益が左右されやすい点が特徴です。
同社は事業を大きくHDD系とフラッシュ系の製品群で展開し、高密度化やコスト競争力を高めるための研究開発と生産投資を続けています。製品ラインには高容量ドライブやデータセンター向けの専用モデル、一般向けストレージが含まれ、共通プラットフォームを活用して部品の共通化や在庫効率を図っています。特許や技術開発にも力を入れ、長期的な競争力の維持を目指しています。
経営方針
同社は「データの力を解き放つ」ことを掲げ、クラウドとハイパースケールのデータセンター向け高容量ストレージでのリーダーを目指しています。直近の事業構成ではクラウド向けが売上の約88%、上位10社で総売上の約68%を占めるなど大口顧客への依存度が高く、経営は規模と収益性の両立を重視しています。資本配分では株主還元を強化しており、2025年には四半期配当0.10ドルを実施、買戻し枠は最大20億ドルを設定しており当期は1.49億ドルを買い戻しています。これらは財務の規律を保ちつつ、成長投資とバランスをとる姿勢を示す具体的施策です。
重点投資分野は高容量ハードディスク駆動(HDD)の核技術と製造力です。同社は記録ヘッドや磁気メディアを自社で開発・製造する垂直統合体制を採り、製品設計から組立・試験までを自社で管理することで品質とコスト競争力を高めています。これにより製品ライン間で部品の共通化が進み購買コストを抑えるとともに、約4,500件の保有特許を活用して差別化を図っています。加えてコントローラやファームウェア、製造設備への投資を継続し、総所有コストを下げることを狙いとしています。
新市場の開拓では、生成系AIを含む「AIデータサイクル」によるストレージ需要拡大を主要な成長機会と位置づけています。NAND型フラッシュ事業の分離(Sandiskの分配)など構造改革を行う一方で、クラウド向け高密度HDDを中心にデータセンター市場でのシェア拡大を図ります。海外関税や部品の長納期といった外部リスクには、調達先の多様化、サプライチェーン最適化、関税免除の活用や必要に応じた価格転嫁などで対応する計画を明示しています。また、買収や事業再編、コスト削減も成長戦略の一環として継続的に検討しています。
技術革新への取り組みは具体的な製品ロードマップに反映されています。同社は高記憶密度化を進めるためにePMRやOptiNAND、UltraSMR、トリプルステージアクチュエータ等の技術を商用化し、1台当たりの容量を引き上げてコスト低減を実現しようとしています。さらに研究開発と設備投資、特許取得に多額を投じることで他社との差別化を維持し、同時にサイバーセキュリティや内部統制、従業員の技能向上にも注力している点が、中長期の競争力維持につながる具体的な施策です。