Workday, Inc.WDAY

時価総額
$599.4億
PER
企業向けクラウド型人事・財務アプリの大手。AI搭載の人材管理・財務クラウドとパートナーエコシステムを展開。2024年10月にEvisortを3.11億ドルで、2024年3月にHiredScoreを5.3億ドルで買収。米国・欧州を中心にグローバル展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
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4項目)
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同業種の日本企業
4社)

事業内容

Workday, Inc.は企業向けに人事(人材管理)と財務を中心としたクラウド型の業務アプリケーションを開発・提供しています。主力は日常的に使うサブスクリプション型のクラウドサービスで、人事・給与、会計、計画・分析といった機能を一つのプラットフォームで扱える点を強みにしています。近年は文書解析や採用支援などにAIを組み込み、機能の拡充を進めています。

同社は中堅から大企業を主要顧客とし、金融、医療、教育、政府、流通など幅広い業種に導入実績があります。収益は定期的なサブスクリプション収入が中心で、導入・移行支援などのプロフェッショナルサービスや有料のサクセスプラン、追加機能の販売が補完収入になっています。販売は直販に加え、システムインテグレーターや再販業者、クラウド事業者とのパートナーエコシステムを通じて拡大しています。

事業の中身は大きく人事関連(HCM)、財務管理、計画・分析の製品ラインに分かれています。Workday MarketplaceやIndustry Acceleratorを通じてパートナー製品や業界別パッケージを組み合わせ、導入後の24時間サポートや顧客コミュニティ、トレーニングなど運用支援も提供しています。EvisortやHiredScoreの買収で、文書インテリジェンスや採用・人材活用のAI機能を強化している点も注目です。

経営方針

同社は持続的なサブスクリプション収益の拡大を中核に据えた成長を目指しています。2005年の創業以来の実績を背景に、現在は11,000社超の顧客基盤とフォーチュン500企業の導入実績を有しており、新規顧客の獲得と既存顧客の利用拡大で売上を伸ばす戦略を取っています。加えて、収益性の改善にも注力しており、長期的には製品開発、営業・マーケティング、管理部門の費用比率を低下させて営業利益率を拡大することを目指しています。

同社は重点投資分野としてプラットフォーム活用の深化、国際展開、業種特化ソリューション、パートナー拡充、そしてAIの開発を掲げています。差別化策としては、顧客が追加機能を容易に導入できるプラットフォームを軸に、Workday Marketplaceやパートナーによる業界向け加速器(Fiscal 2025で12件追加)でエコシステムを広げる点を挙げています。さらに、給与やクラウドインフラ面でAWSやGoogle Cloud、ADPなどとの提携を活用し、統合的な導入体験で競合との差別化を図っています。

新規市場や事業拡大では、国際市場の比率引き上げと機能横展開が中心です。同社は海外での営業基盤拡充を進める一方で、買収による技術・機能の補完も積極的に行っており、近年はHiredScore(買収対価約5.3億ドル)やEvisort(約3.11億ドル)を獲得して採用や文書解析分野の機能を取り込みました。一方で、2025年2月発表の「Fiscal 2026 Restructuring Plan」により従業員を約8%削減し、オフィス縮小や構造改革で投資配分を最適化する計画を示しており、この施策には総額約2.30〜2.50億ドルのリストラ費用を見込んでいます。

技術革新ではAIを核に据え、財務・人事領域での「AI搭載プラットフォーム」化を進めています。同社はドキュメントインテリジェンスや人材獲得の自動化といったAI機能を製品群に統合し、生成系を含む新たなAI技術の実務適用を進めています。同時に優秀なエンジニアやAI人材の確保が成否を左右するため採用・育成に注力しており、第三者クラウド基盤への非解約の購入義務(約15.9億ドル)などの先行投資を通じてスケールと性能を支えるインフラ整備も進めています。