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WATERS CORPWAT
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事業内容
WATERS CORPは分析機器とそれに付随する製品・サービスを手掛ける企業です。主力は液体を分離・分析する装置や分子の性質を調べる装置、さらにそれらで使うカラムや試薬といった消耗品、解析ソフトや設置・保守サービスです。
同社の主要顧客は製薬会社で、2024年の売上の約58%が製薬向けでした。残りは化学・素材、食品や環境試験、大学や政府機関などで、消耗品や保守を通じた継続的な収入が収益の安定化に寄与しています。
事業は大きく装置本体、消耗品(カラム・試薬等)、ソフトウェアとサービスの三つの柱で構成されています。世界各地に直販・サービス網を持ち、導入後の稼働維持や応用支援に力を入れており、近年の買収で大分子向けの光散乱などの製品群を拡充して新分野への展開を進めています。
経営方針
同社は財務的な基盤を活かして売上と利益の拡大を目指しています。2024年の営業利益は約$826百万、営業活動によるキャッシュフローは$762百万と堅調で、研究開発費は年間約$183百万を投下しています。取締役会は自己株式買い戻しの延長を承認しており、残りの買戻し枠は$1.0億(注:文中は$1.0 billion=10億ドルの表記)で、加えて現金$325百万、既存のコミットされている借入枠からさらに最大約$1.6億の追加借入余地を有しているため、成長投資と株主還元を両立する方針です(私募シェルフ契約は最大$200百万まで)。
同社は重点分野として製薬向け分析ワークフローと大型分子領域への注力を掲げ、これが差別化の中核になっています。2024年の売上の約58%が製薬顧客からのものであり、HPLC/UPLC、LC‑MS、ライト散乱や熱解析などの製品群で高付加価値のソリューションを提供しています。販売・サービス網は世界79拠点、現場担当者は約4,200名を擁し、機器と消耗品(例:ACQUITY UPLCカラム)の組み合わせで顧客の安定稼働とリピート需要を獲得する態勢を強化しています。
新市場開拓と事業拡大では、M&Aと内部投資を併用する計画です。2023年に買収したWyatt(買収対価約$1.3 billion)はライト散乱や分画技術で大型分子アプリケーションへのアクセスを拡大し、取得時に無形資産約$418百万、のれん約$864百万を割り当てています。成長のための資金調達余力としては、既述の現金・借入余地のほか、株主還元と並行して戦略的買収に備える方針で、新規市場では特に大型分子や臨床用途への展開を想定しています。一方で中国向け売上は2022年の$565百万から2024年に$397百万へ減少しており、地域別の需要変動への対応も重要課題です。
技術革新に関しては、同社は「オーガニックなイノベーション」と現場の応用知見を重視し、研究拠点(ケンブリッジやデラウェア大)との連携や社内R&D投資で新製品開発を進めています。取得技術の製品化には数年の先行投資や場合によってはFDAの承認取得が必要であり、新製品が本格的な売上に寄与するまでの時間やコストを見込んだ計画を実行中です。また、品質管理やサイバーセキュリティ、人材育成への投資を通じて製品の信頼性と顧客サポート力を高め、競合との差別化を図っています。