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事業内容
Viatris Incは、処方薬の開発・製造・販売を行う総合的な医薬品企業で、ジェネリックとブランド薬の両方を扱い、心血管、腫瘍、感染症など10以上の主要な治療領域で治療選択肢を提供しています。診断クリニックや教育セミナー、患者向けのデジタル支援ツールなども提供し、より複雑で付加価値の高い製品群への投資を強めています。
同社の顧客は薬局、卸売業者、病院、保険者や政府機関など多岐にわたり、地域や流通チャネルに応じた販売戦略で収益を得ています。特に米国ではジェネリックの発売が収益に大きく貢献する一方で、ブランド薬は独占期間中に高い利幅を確保し、主要顧客としてマッケッソンやCencoraなどが売上の一部を占めています。
同社は事業を地域別に管理し、北米・欧州の先進国、日豪ニュージーランド、グレーターチャイナ、新興市場といったセグメントで展開しています。製品ラインは処方ブランド、一般薬(ジェネリック)、複雑薬や改良型製品、研究開発中の資産(IPR&D)に分かれ、吸入剤や注射剤などの重要な複雑製品も含まれます。製造・保管・流通の拠点は米国、インド、シンガポール、欧州などにあり、品質管理と安定供給に注力しています。
経営方針
同社は持続的な成長を目指しており、その戦略の柱は「多様で成長する基盤事業」「キャッシュ創出力と財務の強化」「イノベーティブな製品ポートフォリオの拡大」にあります。過去の売上高は例として2023年に約$15,426.9百万を計上しており、配当は四半期ごとに1株当たり$0.12を継続して支払っています。株主還元面では自社株買い枠を当初の$1.0億から合計$2.0億(上限)へ拡大し、2024年末までに約$500百万を消化しており、同社はこれらを通じて株主価値の向上と財務柔軟性の確保を図っています。
同社は重点投資分野として、複雑薬剤やより高い利幅が期待できる特許保護された革新的資産に注力しています。具体的には、2024年にIdorsiaからフェーズ3の開発プログラム(selatogrel、cenerimod)の権利を取得するためにアップフロントで$350百万を支払い、最大で開発・承認や売上に連動する追加支払(例:開発・規制マイルストーンで$300百万、売上連動マイルストーンで最大$2.1 billion)やロイヤルティを想定しています。さらに、研究段階の技術(開発中資産)に対しては会計上$675百万相当の価値を認識するなど、外部成長(M&A)による差別化を明確な金額をもって推進しています。
同社は新市場開拓と事業拡大を地理的に推進しており、事業は「先進国」「中国」「日本・豪州・NZ(JANZ)」「新興市場」の四つの報告セグメントを軸に運営しています。国際的なアライアンスやライセンス契約をGlobal Healthcare Gateway®経由で拡大し、オフセット的に製品ポートフォリオを強化する方針です。一方で製造面の課題も注視しており、インドの完成剤工場(Indore)に対するFDAの警告状と輸入差止めの影響で、同社は2025年の総売上に対して約$500百万、営業利益に対して約$385百万のマイナス影響を見込むと公表し、サプライチェーン対策と外部専門家の投入で供給リスクの緩和に取り組んでいます。
技術革新への取り組みとして、同社はエンドツーエンドの製品ライフサイクル体制を整備し、既存品の適応拡大や剤形改良といったライフサイクルマネジメントに加え、研究開発への投資拡大を明言しています。具体例としてFamy Life Sciencesの眼科パイプライン取得に$281百万を支払うなど、眼科や循環器等の領域で外部資源を取り込んだR&D強化を行っています。加えて患者支援用のデジタルツール提供や、臨床・製造の品質改善のための第三者専門家導入など、技術と運用の両面で革新を進める姿勢を示しています。