Victoria's Secret & Co.VSCO

時価総額
$26.7億
PER
女性向け下着・アパレル・ビューティー事業の最大手。業界をリードするブラ製品とデジタル中心のブランドを展開。2022年12月30日にAdore Meを391百万ドルで買収。北米中心で2024年度の国際売上比率12%、中国に70のJV店と世界505のパートナー店を展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
ブランド
3項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Victoria's Secret & Co.は世界的に女性向けのインティメイトアパレルとビューティー商品を展開する小売企業です。主力はブラやランジェリー、ルームウェア、スポーツ・スイムの衣料、香水や化粧品などで、Victoria's SecretとPINKというブランドを中核に据えています。直営店とオンライン販売を組み合わせたチャネルで顧客に商品を届けています。

同社の主要顧客は若年〜中堅の女性で、PINKは特に若年層に強い支持を得ています。収益は直営店とオンラインによる直接販売が柱で、加盟店やライセンス契約、卸売によるロイヤルティ収入も収益源になっています。季節性が強く、年末の第4四半期に年間売上の約3分の1を計上することが多い点が特徴です。

事業構成はブランド別とチャネル別に分かれ、Victoria's Secret、PINK、ビューティー部門に加え、買収したデジタル主導ブランドAdore Meなど複数の製品ラインを持っています。商品開発ではフィット感やデザインを重視し、短いリードタイムでトレンド商品を投入することで在庫の回転を高めています。国際展開は加盟店や合弁事業を通じて進めており、海外売上は全体の約12%を占めています。

経営方針

同社は「Path to Potential」と呼ぶ長期成長計画を掲げ、ビクトリアズ・シークレットとPINKという二つの中核ブランドを軸に、売上と営業利益の増加、株主価値の向上を目指しています。具体的には、2024会計年度の営業利益は3.10億ドルで営業利益率は5.0%に改善しており、これをさらに押し上げることを目標としています。国内の直営店は約782店舗、海外のパートナー運営・合弁店を含めた合計は約1,387店舗(2025年2月時点)で、国際売上は7.6億ドルで全体の約12%を占めており、既存基盤の強化と海外比率の拡大を両輪に成長を図ろうとしています。

同社は商品とブランドでの差別化に重点投資しています。ブラ製品では「フィット(着用感)・機能・デザイン」の開発を最優先にして品揃えを拡充し、PINKは若年層向けライフスタイルブランドとして下着に加えアパレルや美容品へ拡大することを目指しています。またビューティーやスポーツ、ラウンジ、スイムといった生活密着型カテゴリーを加速させる方針で、フレグランスをはじめ既存の強みを活かして隣接領域の売上を伸ばす施策に投資しています。

同社は事業拡大と新市場開拓に積極的です。デジタルファーストのAdore Meは2022年末に買収し、買収対価の総額は初期で約5.59億ドル、買収後の追加支払いは条件により最大3.00億ドルが想定される契約で、2024年には合計2.00億ドルを支払うなどデジタル戦略を強化しています。国際展開では中国の合弁店舗70店や世界で約505のパートナー運営店を通じて現地展開を拡大する計画で、フランチャイズ・ライセンス経由でロケーション数を増やすことで上昇余地を狙っています。

同社は技術革新と運用効率の向上にも注力しています。販売・在庫・物流を統合する情報システムやECプラットフォームに投資し、広告効果の最大化に向けてデータ分析を日常的に活用しているほか、サイバーセキュリティ強化のため外部専門家と連携した監視や侵入検査体制を整えています。さらに業務効率化や需要予測で人工知能の導入を進める一方、倫理面や運用リスクの管理にも注意を払いながら段階的に実装することを目指しています。