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Verona Pharma plcVRNA
事業内容
Verona Pharma plcは、主に呼吸器疾患向けの新薬を研究・開発・商業化するバイオ製薬企業です。主力製品は吸入薬のOhtuvayre(有効成分:ensifentrine)で、慢性閉塞性肺疾患(COPD)を中心に臨床開発と販売を進めています。
同社の主要な顧客は病院や診療所、処方を行う医療関係者と医療保険などの第三者支払者で、収益は製品販売が中心です。加えて、共同開発やライセンス契約、開発マイルストーンの受領も収入源となり、販売開始直後の段階では売上は限定的で研究開発へ投資を続けています。
事業は大きく研究開発と商業化の二本柱で、臨床試験や規制対応、外部委託による製造・流通を組み合わせて運営しています。製品ラインはOhtuvayreを中心に、嚢胞性線維症(CF)や喘息、気管支拡張症への適応拡大を目指すパイプラインを有し、英国と米国を拠点に約209名の従業員が臨床開発と市場投入を推進しています。
経営方針
同社は、主力製品であるOhtuvayre(承認済み製品)の商業化を軸に売上成長と事業基盤の構築を目指しています。2024年末時点で現金・現金同等物は約3億9980万ドルを保有しており(2023年末は約2億7180万ドル)、まずはこれらの資金を用いて米国を中心とした販売体制の立ち上げと維持療法としての市場浸透を図る計画です。将来的には追加の適応症や処方設計の承認を通じて売上拡大を図る一方で、場合によっては外部資金調達や提携を活用して成長資金を確保することも想定しています。
研究開発と製造能力への重点投資が同社の差別化戦略です。具体的には、主力化合物であるensifentrineを用いた気道疾患領域での臨床開発を継続し、吸入剤の製剤化(ドライパウダー式や定量噴霧式など)や固定用量配合剤の開発に資金と人的資源を集中させています。これに加え、特許取得・維持や品質管理、外部製造拠点の拡大へ投資することで、競合他社に対して製剤バリエーションや供給の安定性という面で優位性を築くことを目指しています。
同社は新市場・新適応の開拓にも積極的です。気管支拡張症、嚢胞性線維症、喘息といった追加適応での臨床試験を進める計画を掲げており、成功した場合は適応拡大による患者ベースの拡大を狙います。商業面では販売、マーケティング、償還交渉、流通の能力を段階的に拡充する方針で、2024年末時点で従業員は209名に達しており、人材確保や育成、インセンティブ制度(2024年にトラストへ発行した普通株式1,520万株など)を通じて組織拡大を支えています。また、必要に応じてライセンスや提携による地域別展開も検討しています。
技術革新への取り組みとしては、臨床試験のデータ生成・解析、製剤技術の最適化、特許ポートフォリオの強化に加え、情報管理や規制対応の高度化に注力しています。具体的施策としては、吸入薬の製造・品質管理体制の整備、臨床データの信頼性を担保するためのIT・サイバーセキュリティ投資、ならびに米国上場企業としての開示・内部統制(Sarbanes‑Oxley法に基づく内部統制評価やSEC報告体制)の継続的強化を行っており、これらを通じて製品化・商業化の成功確率を高めることを目指しています。