Voya Financial, Inc.VOYA

時価総額
$65.6億
PER
退職金・資産運用・保険の最大手。福利厚生管理プラットフォームと投資運用サービスを展開。2023年1月に福利厚生管理会社を5.95億ドルで買収、2025年1月にフルサービス年金事業を買収で拡大。米国中心に展開。

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事業内容

Voya Financial, Inc.は主に退職給付サービス、資産運用、保険・健康関連のソリューション、個人向け資産管理を手掛ける金融サービス会社です。同社は企業の確定拠出年金や退職プランの記録管理、投資信託や運用受託、団体保険や健康アカウントの販売・管理、従業員向けの福利厚生プラットフォームなどを中心に事業を展開しています。

同社の主要な顧客は企業(中堅・大手)や公的機関、年金基金、保険会社、個人投資家です。収益は運用資産に対する管理手数料、保険の引受差益(保険料と支払いの差)、福利厚生や記録管理の手数料、投資収益など複数の柱から成り立っています。

事業は大きくヘルスソリューション、投資運用、ウェルスマネジメントと職場向けソリューションのセグメントに分かれています。ヘルスソリューションではストップロス保険や団体生命・障害保険、福利厚生管理プラットフォームを、投資運用では固定収入や株式、オルタナティブを含む運用商品を、ウェルスマネジメントでは個人向けIRAや助言サービスを提供していて、それぞれ異なる収益モデルで稼いでいます。

経営方針

同社は資本効率の高い成長と株主還元の最大化を目指しています。戦略的に閉鎖済みの変額年金や旧来の生命保険事業を切り離し、フリーキャッシュフローが出やすい事業へ注力することで「資本ライト」モデルを追求しています。株主還元では配当と自社株買いを重視しており、2024年の1株当たり配当は1.70ドル、取締役会は2024年10月に追加で最大5億ドルの自社株買い枠を承認、同年9月には約1億ドルの買付を実行しました(2024年12月31日時点で買戻し余地は約7.61億ドル)。また、発行済株式は2025年2月14日時点で約9,552万株です。

重点投資分野は職場向けの退職・福利厚生ソリューション、資産運用(特に機関向け固定利回りや代替資産)、および保険・健康関連の給付管理です。差別化の軸は「一体化したワンストップの職場向けプラットフォーム」にあり、退職プランの記録・運用・個人向け助言、雇用主向けの給付管理や市場型の福利厚生プラットフォームを組み合わせて提供しています。運用部門は外部運用資産に対する運用報酬(運用資産残高に対する比率)を主な収益源とし、一定の条件を満たせば成功報酬も得られる構造で、また自社の一般勘定(2024年末時点で約347億ドル)向け運用も行っています。

新規市場開拓と事業拡大では、買収によるスケール拡大を明確に進めています。2023年1月に福利厚生管理のBenefitfocusを約5.95億ドルで取得し、2024年9月同意、2025年1月2日クローズでOneAmericaのフルサービス退職プラン事業を買収(クロージング時現金約5,000万ドル、継続条件で最大1.6億ドルの追加対価)して中堅・新興市場や従業員持株制度の対応力を拡充しました。さらにインドの技術・業務会社を完全子会社化するためにVoya Indiaに対し5,300万ドルを支払い、これにより運用と業務の柔軟性を高めています。運用事業は欧州・アジアにも販売網を広げ、機関・リテール双方での資産規模拡大を目指しています。

技術革新への取り組みでは、買収したBenefitfocusの管理プラットフォームと自社のMyVoyageアプリを中核に、利用者が自分の給付と貯蓄を横断的に判断できる「意思決定支援」機能を強化しています。これらの統合には統合費用が伴い、2023年には約3,700万ドル、2024年には約300万ドルの統合費用を計上しましたが、長期的には顧客獲得・定着と運用効率の改善を見据えた投資と位置づけています。加えて、業務の効率化とリスク管理強化のためにインド子会社による技術・運用基盤の内製化を進め、運用面ではリサーチ主導の運用プロセスやヘッジ手法を活用して変動リスクの管理に取り組んでいます。