VILLAGE SUPER MARKET INCVLGEA

時価総額
$5億
PER
スーパーマーケット運営の大手。ShopRite・Fairwayブランド店舗とオンライン注文、中央キッチンで惣菜供給を展開。2017年のNMTC融資でWellsFargoが関与、Wakefern会員で購買流通の規模優位を確保。NJ26・NY6ほか展開。

事業内容

VILLAGE SUPER MARKET, INC. は1937年創業の食品小売企業で、主に北東部でスーパーマーケットを運営しています。ShopRiteやFairwayの看板で合計約34店舗を展開し、ニューヨーク市内にはGourmet Garageという専門食市場も運営して、生鮮・惣菜・ベーカリーなど幅広い食料品を販売しています。

同社の主要顧客は地域の家庭や個人で、店内販売が収益の中心ですが、ネット注文の店頭受取や宅配、デリやケータリング、薬局サービスなど複数のチャネルで売上を確保しています。仕入れや配送面ではWakefernという小売者協同組合との連携で規模の経済を生かし、協同組合からの配当や販促インセンティブも収益構造を補強しています。

事業は看板別と商品別に整理され、センターストア(乾物・加工品)、フレッシュ(青果・精肉・鮮魚・惣菜・ベーカリー)、および薬局・その他商品というラインが中心です。店舗運営の効率化のために同社は中央の加工・供給拠点を持ち、会員向けロイヤルティプログラムやモバイル・ウェブでのオンライン注文・アプリを通じて差別化を図っています。

経営方針

同社の成長戦略は、既存店の売上を着実に伸ばすことを基本に据えています。経営陣は2025会計年度の既存店売上高を1.0%〜3.0%増と見込んでおり、成長投資として設備投資予算を75,000(注:年次報告書の金額表示は千ドル単位のため、75,000千ドル=約7,500万ドル相当)としています。店舗網はニュージャージー、ニューヨーク、ペンシルベニア、メリーランドに34店のスーパーマーケットと3店のGourmet Garageを運営しており、Wakefern(共同購買組織)の第2位会員として購買力を活かしつつ、四半期配当(Class A:直近で1株当たり四半期0.25ドル、Class B:0.1625ドル)を継続する方針を示しています。経営は手元資金、営業キャッシュフロー、与信枠で当面の資金需要を賄えると判断しています。

重点投資分野は店舗の建て替え・改装、商品展開と店舗設備の更新に集中しています。具体的には東オレンジ店とウォチュング店の代替店建設、複数の小規模改装や商品陳列の改良、倉庫や設備の更新などを計画しており、これらは前述の75,000の予算に含まれます。差別化戦略としては顧客サービスの強化と価格競争力、品揃えの幅広さを軸に、ShopRite Price PlusやFairway Insiderといった顧客ロイヤルティプログラムでデジタルクーポンやターゲット販促を行い、中央調理場(コミッサリー)で品質と効率を確保する取り組みを重視しています。

事業拡大では、既存商圏の再投資と選択的な不動産取得を優先しています。Bronxでの新店舗建設は新市場向けのファイナンスとしてニュー・マーケッツ税額控除を活用し、Wells Fargoを通じた資金調達で進められるなど、税制上の優遇を取り込んだプロジェクト運営も行っています。一方で従業員の約91%が労働協約の対象であり、契約更新(2024〜2027年にかけて期限到来)が業績に影響を与える可能性や、Wakefernからの仕入れ依存度が高い点はリスクとして管理されています。

技術革新ではオンライン注文やデジタル連携に注力しており、ShopRite、Fairway、Gourmet Garageの各チェネルで店舗受取と宅配のオンライン注文を提供しています。Order Expressなどのアプリや顧客カードへ直接付与されるデジタルクーポンで購買データを活用し、販促の効率化を図っています。また、変動金利(SOFR)に伴う支払利息の変動を抑えるために金利スワップ等の手段でヘッジを行い、資金コストの安定化にも取り組んでいる点が特徴です。