VEEVA SYSTEMS INCVEEV

時価総額
$365.9億
PER
ライフサイエンス向けクラウドソフトの最大手。開発・品質・商用・データの4製品群のクラウドソリューションを展開。2025年1月期売上高27.47億ドル、顧客数1,477社で収益成長継続。北米・欧州中心に7,291人体制でグローバル展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Veeva Systems Inc.はライフサイエンス業界向けにクラウド型ソフトウェア、産業データ、業務コンサルティングを提供しています。研究開発から市販化までのプロセスを一気通貫で支援し、製品開発の効率化、営業・マーケティングの高度化、法規制への対応を助けています。

同社の顧客は製薬、バイオ、医療機器、受託研究機関や受託販売会社など医療関連企業が中心で、大手から創薬段階の小規模企業まで幅広く利用しています。収益は主にクラウド利用のサブスクリプション料金と、導入や設定、データ移行、コンサルティングなどのプロフェッショナルサービス料で構成され、サブスクリプション収入の比率が高く安定性が高いのが特徴です。

同社の製品群は大きく四つのクラウドに分かれており、開発向けのDevelopment Cloud、品質・製造向けのQuality Cloud、営業・マーケティング向けのCommercial Cloud、データ基盤のData Cloudで展開しています。財務上はCommercial系とData系を「商業ソリューション」、Development系とQuality系を「R&Dソリューション」として区分し、導入支援やトレーニング、Veeva Business Consultingなどで顧客の運用と成果創出を支えています。

経営方針

同社は安定した再発収入の拡大を成長の中心に据えています。2025会計年度の総収入は約27.5億ドルで、そのうちサブスクリプション収入は約22.9億ドルと前年から20%増加しました。顧客数は1,477社に達しており、商業向けソリューション(Commercial Solutions)と研究開発・品質向けソリューション(R&D Solutions)の比率はほぼ拮抗しているものの、同社はR&Dソリューションの比重を高めることで長期の収益基盤強化を目指しています。再発型収入の増加とマージン改善を通じて持続的な成長を実現することを目標としています。

同社はライフサイエンスに特化したクラウド、データ、業務コンサルティングを一体で提供する点に重点投資しています。具体的にはVeeva Commercial Cloud、Veeva Data Cloud、Veeva Development Cloud、Veeva Quality Cloudという四つの製品群を核に、データサブスクリプション(例:Veeva CRM Pulse、Crossix)やVeeva Business Consultingによる導入支援といったサービスを強化しています。こうした縦割り業界知見と独自データを組み合わせることで、汎用ソフトを提供する競合に対して差別化を図っており、知的財産の蓄積も進めていることから独自優位性の維持を目指しています。

新市場開拓では、R&D・品質系ソリューションの適用領域拡大とクロスセルを成長ドライバーに位置づけています。すでにR&D系製品は北米・欧州でライフサイエンス以外の業界にも販売されており、既存の商業顧客(約730社)とR&D顧客(約1,125社)を活用した導入拡大や、既存顧客のVault CRMへの移行を通じた製品群の統合を推進しています。また、戦略的な買収により技術やデータを補完する選択肢も維持しており、グローバルなホスティング拠点(米国、EU、日本、韓国)を活かして国際展開を支えています。

技術革新への取り組みとしては、クラウド基盤とデータ統合に継続投資しつつ、製品の近代化を進めています。社内での業務システム刷新を行うなどオペレーションの効率化にも取り組んでおり、約7,291人の従業員と約52億ドルの現預金・短期投資を研究開発と事業拡大の資金源としています。特許も積極的に取得しており(米国発行特許83件、国際発行13件、出願中121件)、セキュリティやコンプライアンスを重視した製品開発を通じて、業界特化型の技術優位を深化させることを目指しています。