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Village Bank & Trust Financial Corp.VBFC
事業内容
Village Bank & Trust Financial Corp.は、バンクを中核とする地域金融持株会社で、リッチモンドとウィリアムズバーグ周辺を中心に銀行業務と住宅ローン業務を展開しています。同社は普通預金・当座預金・定期預金といった預金サービスに加え、商業ローン、不動産ローン、消費者ローンや住宅ローンの組成・販売を主力としています。預金は連邦預金保険公社(FDIC)が保証し、対面とデジタル両方のチャネルで顧客対応しています。
同社の主要顧客は中小企業、専門職、個人や不動産投資家など地域の事業者と住民です。収益は主に貸出からの利息と手数料、預金と借入との金利差(利ざや)および住宅ローン会社のローン販売益と組成手数料で構成されています。2024年には銀行部門が約4,310万ドル、住宅ローン部門が約320万ドルの収益を計上しています。
事業は大きく商業銀行業と住宅ローン業の二つのセグメントに分かれています。商業銀行部門では預金受入や運転資金・設備資金向けの事業融資、商業用不動産の取得・開発・建設向け融資を行い、住宅ローン部門では建築から長期への切替えを含む住宅ローンの組成と販売を行っています。加えて支店やATM、インターネットやモバイルなど複数のチャネルで地域密着のカスタマイズしたサービスを提供しています。
経営方針
同社は長期的に株主総利回りを全国の同業者の上位四分位に入れることを目指しています。具体的には、自己資本利益率(ROE)で上位四分位、持続可能な収益成長、景気後退時にも優れた資産品質を維持することを経営目標としています。直近の実績としては、2024年に銀行部門の収益が約4,310万ドル、住宅ローン部門が約320万ドルを計上しており、これらの収益基盤を踏まえつつ、2025年第一四半期末を目標にTowneBankとの合併を予定している点(1株あたり現金80.25ドルの対価)も成長戦略の重要な位置を占めています。内部統制や開示体制についても、経営陣は2024年12月31日時点で有効であると評価しており、透明性の高い運営を維持しています。
同社は地域密着の商業銀行業務と専門的なモーゲージ業務に重点投資を行い、これを差別化の核としています。小規模・中規模事業者や富裕層へ「カスタマイズした対面サービス」を提供することで取引の深掘りを図り、不動産向け融資では「ウェルスビルディング(資産形成)を志向する投資家」を主要ターゲットにしています。モーゲージ部門では営業人員の増強、ポートフォリオ型ローンの提供、助成金プログラムの活用、マーケティング強化を明確に打ち出しており、手数料収入など非金利収入の拡大で総資産利益率(ROA)とROEを高めることを目指しています。また、与信管理の強化により「景気の悪化局面でも上位の与信指標を達成する」ことを掲げています。
新規市場開拓や事業拡大は慎重かつ機動的に進める計画です。現在はリッチモンドとウィリアムズバーグ周辺の中部バージニアが主要市場で、9か所のフルサービス支店と住宅ローンのプロダクションオフィスを基盤としています。将来的には支店展開や支店買収、または関連事業の買収も選択肢として検討する一方で、人材確保、規制上の承認、統合コストなどの実務的ハードルを認識しており、短期的な収益性の悪化を織り込んだ上での成長投資を想定しています。なお、合併が進行中は経営資源が集中するため慎重な意思決定を継続する方針です。
同社は技術革新とサイバーセキュリティに継続的に投資しています。顧客理解と利便性向上のためにオンライン・モバイルなどのチャネル整備を進め、業務効率化による生産性改善を図っています。サイバー対策は経営・取締役会レベルの監督の下で「三層の防御」体制、外部の専門業者による侵入テストや監査を組み合わせて運用しており、2024年は重大なインシデントが報告されていません。加えて、組織や業務プロセスの合理化と、意思決定を支える技術投資で、少ない人員で高いサービス品質と収益性を両立させることを狙いとしています。