MARRIOTT VACATIONS WORLDWIDE CorpVAC

時価総額
$17.6億
PER
バケーション所有権と交換サービスの最大手。ポイント制商品と交換ネットワークを展開。2011年の単独上場、2022年バリ88ユニット買収、2024年ワイキキ38ユニット買収で買収。北米中心にアジア太平洋・欧州で展開。

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企業概況
98文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
ライバル企業
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Marriott Vacations Worldwide Corpは、リゾートの利用権を販売するバケーション所有ビジネスを中心に、会員制の交換サービスやリゾート運営を行う企業です。 同社は自社ブランドやライセンスブランドのリゾートを運営し、ポイント制の商品を通じて宿泊権の柔軟な利用を可能にしているため、顧客が好みに合わせて宿泊地や時期を選べる仕組みを持っています。

同社の主要な顧客はリゾート所有者、会員、宿泊ゲストで、収益は主にバケーション所有権の販売収入と、交換サービス・管理手数料などの繰り返し発生するフィー型収入で構成されています。 既存の所有者への追加販売が大きな割合を占め、販売拡大と並行してポイント商品や資本効率の高い在庫運用で安定したキャッシュフローを重視しています。

事業は大きく、バケーション所有(ポイント制を含む)と交換事業、第三者への運営サービスに分かれています。 同社はMarriottやHyattなどの主要ブランドを活用した上位クラスのリゾート展開と、3,000を超える提携リゾートを持つ交換ネットワークを通じて多様な宿泊体験を提供し、デジタル化や会員サービス強化で顧客満足と収益性の向上を狙っています。

経営方針

マリオット・バケーションズ・ワールドワイド(同社)は、安定的な現金創出と選択的成長の両立を成長戦略の中核に据えています。規模拡大の実績として、リザベーション所有権(VOI)の保有者は約42万世帯から約70万世帯へ、リゾート数は64か所から約120か所に拡大しており、交換ネットワークの会員は約150万人、提携リゾートは約3,200に達しています。財務面では、2024年末時点で買戻し可能な自社株購入枠が約3.83億ドル残っており、四半期配当も継続して支払っているほか(2024年は四半期当たり約0.76〜0.79ドル)、2026年末までに年間ベースで1.5〜2.0億ドルの効果(半分をコスト削減、半分を収益加速)を見込む施策を打ち出すなど、株主還元と財務の柔軟性維持を両立する方針です。

同社は「ポイント制商品」と「資本効率の高いモデル」を重点投資領域にしています。ポイント制により在庫投資を販売ペースに近づけ、完成済み在庫を抑えることで未販売在庫にかかる保守費用を低減し、投下資本回転を高めることを目指しています。また、既存に販売済みのVOIを安価に再取得して再販することでマージン改善を図っています。これらにより同社は「資産を持ちすぎない」運用で安定したキャッシュフローを確保し、マリオットやハイアットのロイヤルティ会員(Marriott Bonvoy 約2.28億人、World of Hyatt 約5,400万人)へのアクセスを活用して差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大は、選択的なM&Aと資産取得、隣接市場での新商品展開で進めています。最近の具体例では、オーランドの土地取得(1,100万ドル、ハイアットブランドで289ユニット開発予定)、ワイキキでの完成ユニット取得(6,500万ドル)と小売区画取得(4,800万ドル)、サバンナ(1,900万ドル、ウェスティンで73ユニット化予定)、チャールストン(1,700万ドル、ウェスティンで50ユニット化予定)などの資産投資を実行しています。加えて、交換事業や第三者向け運営の拡大、新たな会員プログラムや周辺商品の投入を通じて、繰り返し収益と高い利益率を狙う戦略を採っています。

技術面ではデジタル化とデータ活用を重点的に推進しています。同社は顧客向けのデジタルプラットフォームを強化し、全ブランドでオンライン取引を可能にすること、またデータを活用した高度な分析でマーケティング効率や顧客体験を改善することを目指しています。2024年11月に設置した戦略業務オフィスは業務の自動化やプロセス最適化を進め、顧客プラットフォーム強化のために2025年と2026年にそれぞれ約1億ドルの一時的投資を見込み、先述の1.5〜2.0億ドルのランレート効果実現を狙っています。これらによりコスト構造の改善と収益拡大を同時に追求する方針です。