UNION PACIFIC CORPUNP

時価総額
$1404億
PER
鉄道貨物輸送事業の米国最大手。インターモーダルやバルク・産業・プレミアムの輸送ネットワークを展開。2024年の営業収益242.5億ドル、2025年2月6日に100百万株の自社株買い枠承認。米国西部23州とカナダ接続、6つのメキシコ主要ゲートウェイに展開。

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企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

UNION PACIFIC CORPは米国西部から中西部を中心に23州を結ぶ大手貨物鉄道会社で、広域な鉄道ネットワークと端末設備を運営しています。同社は長距離の貨物輸送を主力に、コンテナやトレーラーの搬送、貨車やターミナルの運用に加え、物流関連のサービスも提供しています。

主要な顧客は製造業、農業、化学・エネルギー関連、石油・石炭、消費財や自動車メーカーなど約1万社にのぼります。同社の収益は運んだ貨物の量(車両数)と1車当たりの平均収入で決まり、価格や貨物の構成、燃料サーチャージや顧客向けのインセンティブが収入に影響します。

事業は大きくバルク(石炭や穀物、鉱物等)、工業品(化学品や金属、建材等)、プレミアム(コンテナ/インターモーダル輸送や自動車・消費財輸送)といった商品群に分かれています。加えて同社は物流子会社や通勤鉄道関連事業、車両プールへの出資などでネットワークの効率化を図り、設備投資や技術導入でサービス向上とコスト管理に取り組んでいます。

経営方針

同社は「安全」「サービス」「業務の卓越性」に注力することで持続的な成長を目指しています。2024年は営業係数(投入に対する運営効率を示す指標)を59.9%まで改善し、前年から240ベーシスポイントの進展を果たしました。連結営業収入は約242.5億ドル、純利益は約67.5億ドル、希薄化後1株当たり利益は11.09ドルと、厳しい市場環境でも収益性の改善と現金創出(営業活動によるキャッシュ約93億ドル)を両立させました。同社はこれらを踏まえ、景気が回復した際にネットワーク規模やサービスでより大きな成長を取り込むことを目指しています。

同社は線路や設備の強靭化と機関車・貨車の近代化に重点投資することで他社と差別化を図っています。2024年に約34億ドルを設備投資に投じ、フェニックスのコンテナターミナルやハンプヤード(仕分けヤード)の改良、側線延長、ターミナル・ランプ整備、システム間連携(API)や入出場管理の新技術導入などを実行しました。これにより貨車の回転速度やサービス性能が改善され、現場の生産性は労働力で6%、機関車で5%向上するなど運用面での優位性を高めています。また、古い資産の更新を進めることで安全性や復元力(レジリエンシー)も高めています。

同社は新市場開拓と事業拡大において、特にコンテナ輸送(インターモーダル)や農産物などの伸びる分野を取り込む計画です。2024年は西海岸で国際コンテナ貨物が前年に比べ約19%増加したことを受け、今後も側線やターミナル投資、インターモーダルラampの整備を通じてより多くの車扱い貨物をネットワークに呼び込むことを目指しています。一方で石炭は大幅に減少しており(2024年は約20%減)、商品構成の変化に対応するため、顧客獲得や価格設定、ネットワーク配分を組み合わせた柔軟な成長戦略を採っています。資本配分では現金創出を背景に配当支払いと株式買戻し(2022年承認枠の下で2024年に約630万株を買戻し、2025年には新たに1億株の買戻し承認を得る)を両立させ、財務の余地を保ちながら成長投資を継続する方針です。

同社は技術革新を運行の流動性向上と環境負荷低減の両面で重要視しています。具体的にはシステム間連携(API)や新しいゲート技術で入出場処理を高速化し、データや自動化で列車運行と設備利用を最適化することでターミナル滞留時間や貨車回転を改善しています。環境面では機関車の燃費向上や再生可能燃料の導入、低・ゼロエミッションの推進技術を検証・試験しており、気候シナリオ分析を用いてリスクと機会を評価する取り組みも進めています。サイバーセキュリティ対策も強化しており、運行管理システムと顧客接点の双方で技術投資を継続しています。