UNION BANKSHARES INCUNB

時価総額
$1.1億
PER
個人・法人向け銀行業の有力企業。商業融資・商業不動産ローン・住宅ローン、オンラインバンキング・資産運用サービスを展開。2021年8月に1,650万ドルの劣後債を私募、2024年に純利益880万ドルを計上。米国バーモント州中心に展開。

事業内容

UNION BANKSHARES INCはバーモント州を拠点とする銀行持株会社で、主に子会社の地域銀行を通じて個人や企業向けの金融サービスを提供しています。主力は貸出と預金の受け入れで、その他に資産運用や信託、決済サービスなど地域の金融ニーズを幅広くカバーしています。

同社は個人、地元の事業者・不動産投資家、自治体を主な顧客層としています。収益は主に貸出による利息収入が中心で、預金を資金源として貸出に重点を置き(2024年の平均貸出対預金比率は約92%)、手数料収入や有価証券の利回りなど非金利収入も補完しています。

同社の事業は大きく貸出、預金、決済・デジタルサービス、ウェルスマネジメントに分かれています。貸出は商業融資、商業不動産や建設向け、住宅ローンやSBA保証融資など幅広く、預金では当座預金や普通預金、定期預金、退職口座や医療貯蓄口座などを扱っています。またオンラインの現金管理、カード決済やリモート入金、信託・資産管理サービスを通じて収益源を多様化しています。

経営方針

同社は持続的な成長と財務の安定性を両立することを目指しています。具体的には、内部成長の推進と選択的な買収の両面で機会を評価しており、2021年に発行した合計1,650万ドルの劣後債は成長資金と規制上の資本確保に充てられました。2024年の純利益は約880万ドル、株主資本は2023年の6580万ドルから6650万ドルへ増加しており、同時に総資本対リスク資産比率は13.3%から12.5%、Tier1比率は10.7%から10.0%に若干低下したものの、規制上は「良好な資本水準」を維持しています。配当や自己株式取得方針も並行して運用し、2024年は約650万ドルの現金配当を実施しました。

同社は貸出を主軸とした収益拡大に重点投資をしています。貸出比率を高める戦略の一環として、2024年の平均貸出対平均預金比率は約92.2%に達しており、商業用不動産、商業融資、住宅融資、地方自治体向け融資やSBA保証ローンなど地元企業と個人向けの対面型金融サービスに強みを持っています。同社は地域密着の対人関係と迅速な審査・サービシングで差別化を図っており、従業員191名(2024年末)を活用した人材育成や報酬制度、株式インセンティブ(2024年株式報酬枠25万株等)で顧客対応力と営業力の維持を目指しています。

同社は新市場開拓と事業拡大を慎重かつ選択的に進めています。保守的な資本管理のもとで支店網の補強や地域企業の取り込みを図る一方、買収候補があれば財務健全性に影響を及ぼさない範囲で検討する姿勢をとっています。発行済株式数は2025年2月時点で約453.9万株、2024年中は自己株買い枠の維持や株主向け再投資計画(DRIP)などで株主還元と資本効率のバランスを取っており、地域市場でのシェア拡大を通じた収益基盤の拡充を図っています。

同社は顧客利便性の向上と情報セキュリティの強化を両立する技術投資を進めています。具体的にはオンライン口座開設、インターネット・モバイルバンキング、リモート入金やオンライン住宅ローン申請などのデジタルチャネルを整備しており、第三者ベンダーを含む外部システムとの連携や事業継続計画、サイバー対策の強化を継続的に実施しています。これらにより同社はサービスの利便性を高めつつ、顧客データ保護と運用の安定化を図ることを目指しています。