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UNICO AMERICAN CORPUNAM
事業内容
UNICO AMERICAN CORPは米国カリフォルニア州を拠点とする保険持株会社で、主に損害保険と健康・生命保険の販売や関連サービスを手掛けています。子会社を通じて引受け業務、代理店業務、保険商品販売といった保険ビジネスを中心に展開しています。
同社の収益は保険料収入と保険会社からの手数料が中心で、特に損害保険の引受けによる保険料が主要な収入源になっています。健康保険関連の手数料収入はGuardian LifeやBlue Shieldといった特定の保険者からの比重が高く、また損害調査や請求処理の受託によるフィー収入もあります。
事業セグメントは大きく保険会社業務(引受け)、一般代理店・販売、保険料ファイナンス、クレーム管理サービスに分かれます。保険料ファイナンス事業は2021年9月に停止しており、2020年にクレーム調整業務を再稼働させて外部向けの受託サービスを拡大するなど、収益源の多角化を図っています。
経営方針
同社は従来の引受けによる成長からキャッシュの保全と収益構造の見直しに軸足を移しています。2021年の純損失は約5.67百万ドル、発行済み普通株式は約5.30百万株であり、流動性に課題を抱えているため、当面は配当を行わず(配当は見込まれない)、現金を温存する方針です。株主還元については株価の上昇に頼る形となり、2020年に設定された買戻し枠(最大約4.995百万ドル)はあるものの、2022年1月に買戻しは停止しています。同社は経営の健全化と費用削減を通じて財務基盤の立て直しを目指しています。
同社が重点投資する分野は、保険業務に付随するフィー収入源の開拓と運用資産の安全運用です。具体的には、社内の損害調査・クレーム処理機能を独立したサービス(U.S. Riskの再稼働)として非関連保険会社向けに有料提供することで、引受けリスクを伴わない収益を確保しようとしています。一方で、保有資産の運用は米国債や住宅ローン担保証券、投資適格の社債などに限定する投資ガイドラインを採用し、運用は独立助言者と提携、2021年8月には信託カストディアンをU.S. Bankに移管するなどリスク管理を強化しています。
新市場や事業拡大については、引受け規模の縮小を前提にしつつ、サービスビジネスの拡大で収益基盤を多角化する計画です。例えば、クレーム管理を外販することで地理的・商品的な集中(Crusaderの保険料は大部分がカリフォルニアに依存)を緩和しようとしています。また、再保険や代理店契約の見直しを通じて引受け能力や販売チャネルの柔軟性を確保する取り組みを行っており、事務所のサブリース契約などコスト構造の最適化も進めています。同社はこのような段階的な事業再編により、より安定した収益源への転換を目指しています。
技術革新では、同社は業務効率化と競争力維持のためにシステム投資を継続しています。過去に掲げた方針どおり、引受けや流通でのデジタル化・自動化を進めると同時に、内部統制・報告体制の整備に注力しており、これが上場企業としてのコンプライアンス対応(サーベンス・オックスリー法等)や監査対応に関わるコスト増加を招いていることも明確です。人員は2021年末の38名から2022年6月時点で26名へとスリム化しており、同社は技術と外販サービスを成長の核として収益性の回復を目指しています。