UMB FINANCIAL CORPUMBF

時価総額
$79.2億
PER
銀行業務と資産サービスの大手。信託・カストディ、ウェルスマネジメント、商業銀行業務を展開。2025年1月のHTLF買収で23.6百万株発行。米国を中心に支店網と資産管理拠点を展開。

事業内容

UMB FINANCIAL CORPは米国を拠点とする金融持株会社で、銀行業務と資産サービスを中心に事業を展開しています。同社は預金口座、各種ローン(住宅ローン・分割払い・住宅担保借入など)、個人向けクレジットカードやプライベートバンキングに加え、信託、投資助言、資産管理・保管といった資産関連サービスを主力として提供しています。

同社の主要顧客は中小から中堅の企業、投資信託や代替投資を運用する機関クライアント、そして個人顧客や富裕層です。収益は貸出と預金の金利差による利ざやが基盤となり、そこに信託・資産管理・決済やカード手数料などの非金利収入が加わる構造になっています。

事業は商業銀行、機関向け銀行、個人銀行の三つのセグメントに分かれており、商業銀行は商業ローンや商業不動産融資、トレジャリー管理を扱います。機関向けはファンド管理・会計・保管や固定収益の販売・引受、ヘルスケア向け支払ソリューションなどを提供し、個人銀行は預金、住宅ローン、資産運用、証券仲介や保険などを通じて幅広く顧客にサービスを届けています。

経営方針

同社は長期的な成長と健全な収益性の両立を目指しています。経営陣は「運営効率の継続的改善」「純金利収入の拡大」「非利息収入の増加」「バランスシート強化と適切なリスク管理」の四つを中心に据えており、2024年には総収入が前年比11.4%増となり、非利息収入は6.28億ドル(628.1百万ドル)に達しました。純金利収入も前年から8.8%増加し、増加額は約8,080万ドルで、平均収益資産は33億ドル(8.9%)増加しています。こうした数値は、規模拡大とともに収益性を高めることを目標にした経営方針の成果を示しています。

重点投資分野として、同社はテクノロジーと業務効率化に資源を集中しています。具体的には組織・報告構造の簡素化、バックオフィス機能の統合、既存プラットフォーム間のシナジー追求により運営レバレッジを高める施策を進めており、非利息費用は収益増に対して抑制され、2024年の非利息費用は前年から2.8%の増加にとどまりました。さらに、信託・証券処理やファンド管理などの機関向けサービスに強みを持ち、2024年には信託・証券処理収入が2.91億ドルに拡大している点で、専門性の高い業務を差別化要因としています。

新市場開拓や事業拡大は、買収と有機成長の両面で進めています。直近では2025年1月31日にHeartland Financial USAの買収を完了し、同社株式23.6百万株を対価として発行するなど外部成長を積極化しています。また、資金調達面ではフォワードセール契約で約2.318億ドル相当の純収入を見込むなど、買収資金と資本充実を両立させる計画です。加えてヘルスケア決済やファンド運用・アセットサービスといった分野でのクロスセルや地域的な店舗・取引先拡大を通じて、平均貸出金や預金といったバランスシート項目を押し上げる方針です。

技術革新への取り組みでは、同社はデータ解析と自動化への投資を成長のコアと位置づけています。具体的には与信審査の精緻化、業務プロセスの自動化、顧客体験のデジタル化を狙ったコアシステムの見直しを進めており、将来的な運営効率向上や詐欺抑止に資することを想定しています。加えてサイバーセキュリティやプライバシー対応、フィンテックとの連携にも注力しており、これらの技術投資を通じてコスト削減と収益多様化を同時に実現することを目指しています。