UNIVERSAL HEALTH SERVICES INCUHS

時価総額
$145.2億
PER
病院経営と行動医療の大手。救急・急性期・精神科を含む総合医療サービスと外来拡充を展開。2024年12月31日時点で従業員約99,000人、2024年に約3.0百万株・約5.99億ドルの自社株買い実施。米国中心、英国にも事業展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
105文字)
業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

UNIVERSAL HEALTH SERVICES INCは、米国と英国で病院や精神科を中心とした医療施設を運営する企業です。同社は急性期の入院医療と行動・精神医療を主力に、手術、分娩、救急、画像診断、がん治療や外来サービスまで幅広い医療サービスを提供している。

同社の主要な顧客は患者と、その支払いを行う民間保険会社や米国の公的保険制度(メディケア・メディケイド)で、診療報酬が収益の中心です。支払いは契約により日額や症例ごと、割引請求などさまざまな形態で行われるため、保険制度や契約条件の変化が収益に直接影響する構造です。

同社は事業を「急性期病院サービス」と「行動健康サービス」の二つのセグメントで運営しており、それぞれ別個に業績管理を行っています。さらに中央購買や情報システム、医師の採用支援などの管理サービスを提供するとともに、外来治療の拡大や業務効率化を進めて収益性と医療の質の向上に取り組んでいる。

経営方針

同社は持続的な成長と株主還元の両立を目指しています。事業は急性期病院と行動保健(ビヘイビョラルヘルス)の二本柱で、外来サービスの拡大と行動保健領域の強化を成長の主要戦略としています。資本政策では株主還元を重視しており、2024年7月に自社株買い枠を10億ドル増額したうえで、2024年通年で約300万株、約5.99億ドルを買い戻しました。2024年末時点の自社株買い残枠は約8.24億ドルで、同年の配当は1株当たり0.80ドルでした。

同社は施設改修や設備投資、医師採用といった「現場」を支える分野に重点投資を行い、中央購買や情報サービス、財務・管理システムなどの統合的な管理機能で差別化を図っています。従業員数は約9万9,000人(うち米国約8万6,000人、英国約1万3,000人)で、急性期分野では約370名、行動保健では約510名の医師を雇用しており、医師リクルートや看護師確保を通じて市場競争力を高めています。一方で人手不足や賃金上昇といった労務コストのリスクを認識し、臨時人材の使用抑制や効率化施策でコスト管理に取り組んでいます。

新市場開拓や事業拡大では、M&Aや選定された資産取得を通じた地域展開を継続しています。2024年の買収支出は約1,900万ドル、同年に資産売却で約3,900万ドルを得るなど、選択的な投資と資産入替を行っています。州ごとの許認可制度(CON)を活用したサービス追加申請や、英国での事業運営を通じて地理的・領域的な拡大を進める一方で、成長資金は長期借入やリボルビングファシリティに依存しているため、金利上昇が借入コストや資金調達条件に与える影響を管理することが課題です。2024年は投資活動による純支出が約9.11億ドルにのぼっています。

技術革新では、請求・コーディングの効率化や患者情報管理の中央化を通じた収益改善とコスト削減を重視しています。サイバーセキュリティ対策を強化しており、米国のNISTフレームワークに基づく外部評価を隔年で実施し、年次で侵入テストを行うほか、インシデント対応訓練を定期的に実施しています。加えて、サイバー損害に備えた保険を保持する一方で、保険を超える損害リスクがある点を公表しており、IT投資とガバナンスの両面で継続的な改善を進めています。