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U-Haul Holding CoUHAL
事業内容
U-Haul Holding Coは、北米で最大級の「自分で引っ越す(Do‑It‑Yourself)」向けの移転・保管サービスを展開しており、オレンジと白のトラックやトレーラーの貸出、セルフストレージユニットやポータブル収納ユニット、引越し用の箱や梱包資材の販売を主力に事業を行っています。直営の小売店と多数の独立ディーラーに加え、uhaul.comやスマホアプリ、電話での予約体系を通じて顧客に利便性の高いワンストップサービスを提供しています。
同社の主要顧客は、自分で荷物を運ぶ個人の引越し客が中心で、一部の商用利用者も含みます。収益は主にトラックやトレーラーのレンタル料、セルフストレージの賃料、パッキング資材や付帯サービスの販売が中心で、オンライン予約や直営店・ディーラー網が取引量を支えています。
事業は大きく移動・保管セグメントを核にしており、レンタル機材の製造・組立・整備拠点や修理拠点、流通センターといった物理的なインフラを持っています。加えて、不動産としてのストレージ管理や保険・金融関連の子会社を通した補完的なサービスも展開し、マーケティングやデジタル予約システムの改善で顧客接点の拡大に注力しています。
経営方針
同社は北米の「セルフ引越し(do‑it‑yourself)」市場でのリーダーシップを維持することを成長戦略の中心に据えています。具体的には、オレンジと白の車両やセルフストレージを中核商品として、シームレスな供給網と広域の店舗網を活用することで「より多くの人により良い商品とサービスをより低いコストで提供する」ことを目指しています。規模面では直営店舗が約2,400店、独立ディーラーが2万1,600店超、製造・組立拠点が11ヶ所、固定拠点の整備施設が152ヶ所といった資産基盤があり、株価指標では2020年を100とした場合にUHALが2024年に235、2025年に227となるなど長期的な価値創出を示しています。投資資金は主に負債による調達を想定しており、2025年3月31日時点で総負債は約72.29億ドル、運用リース負債は4700万ドルと開示しています。
同社は設備と不動産への重点投資で差別化を図っています。レンタル車両やポータブルユニット(U‑Box)、セルフストレージの拡充に継続的に投資し、レンタル機材の利用率向上や価格最適化で取引量を伸ばすことを目指しています。広告・販促面ではウェブやアプリ、24時間の電話予約窓口を主要な接点としており、2025会計年度の広告費は約1530万ドルでした。また保険・年金関連の事業(ライフインシュアランス)も拡大対象にしており、販売代理の強化や商品ラインの拡充でシニア市場での成長を目指しています。こうした投資は不動産開発や車両取得といった高額資本支出を伴うため、同社は外部借入やリース、私募、営業キャッシュでの資金調達を計画しています。
同社は新市場開拓と事業領域の拡大にも積極的です。U‑Boxプログラムの幅と到達範囲を拡大する計画や、所有するストレージ物件の開発・取得を進めることで直営ポートフォリオの占有率向上を目指しています。保険部門については、A.M. Bestによる格付けはAが維持されているものの見通しはネガティブに修正されており、同社は格付け維持を重視しつつ代理店網拡充や商品提供で売上拡大を図る方針です。カナダ事業は売上の約5.1%を占めており、地域展開は既存の北米ネットワークを活かした段階的拡大を目指しています。
同社は技術革新により顧客利便性と効率を高めることを目指しています。オンライン予約システム(uhaul.com)とモバイルアプリを中心にデジタル化を推進し、顧客接点の利便性向上を図っています。同時にサイバーセキュリティ対策やバックアップ体制に資源を投入し、専任のITセキュリティ人材や外部コンサルを活用して防御・検知・緩和策を整備しています。将来的には電気自動車の導入可能性や自動運転技術、AIを活用した顧客接点の変化にも注目しており、これらの技術動向を見極めつつレンタル車両の経済性や運用モデルの最適化を進めることを目指しています。