UNITED STATES ANTIMONY CORPUAMY

時価総額
$7.1億
PER
アンチモン・ゼオライト・貴金属の採掘・加工・販売の最大手。米国唯一のアンチモン処理拠点、メキシコで最大の製錬所を保有し、ゼオライトは採掘から販売までの垂直統合事業を展開。BRZリースを2034年まで延長、2024年にアラスカ・オンタリオの鉱区を取得。米国・メキシコ・カナダ中心に展開。

事業内容

UNITED STATES ANTIMONY CORPは、アンチモン製品の加工とゼオライトの採掘・販売を中核とする鉱業・素材企業です。モンタナやメキシコの施設で他社から調達した鉱石を処理してアンチモン酸化物、アンチモン金属、三硫化アンチモンや回収した金・銀を生産し、アイダホ州の拠点ではゼオライトを採掘から加工・出荷まで一貫して行っています。

同社の収益はアンチモン製品が中心で、ゼオライトや貴金属の売上も含まれます。売上は少数の大口顧客に偏っており、2024年は上位2社で約43%を占めたほか、原料供給もカナダの一社に依存しているため、価格や供給の変動が業績に直結する構造です。

事業は大きくアンチモン事業とゼオライト事業に分かれます。アンチモン製品はプラスチックやゴムの難燃剤、鉛蓄電池や弾薬の部材など工業用途向けで、同社は国内での加工能力とメキシコの大規模製錬所を持ち短納期で供給できます。ゼオライトは水処理、環境浄化、飼料や土壌改良など多用途で、BRZ(Bear River Zeolite)拠点を通じて採掘から販売まで垂直統合で展開し、アラスカやカナダでの鉱区拡大も進めています。

経営方針

同社はまず収益基盤の強化による成長を目指しています。2024年の連結売上高は約1,494万ドルと前期比72%増加し、アンチモニー部門の売上増や単価上昇で改善を果たしました。経営目標としては営業キャッシュフローの継続的なプラス化と株主価値の向上を掲げており、2024年は営業活動で約222万ドルのキャッシュを創出したことや、EBITDA赤字を前年の約538万ドルから約63.6万ドルへ大幅に縮小した点を実績として強調しています。配当は当面行わず、利益は事業拡大と設備・運転資金に再投資する方針です。

同社は重点的に設備と人的基盤への投資を進め差別化を図っています。アンチモニー処理では米国で唯一の稼働許可を有する製錬所を保有しており、国内向けに迅速な供給が可能なことを競争優位と位置付けています。2024年は生産効率改善、管理体制の増強、販売・顧客対応の強化に伴う人員補強や報酬制度整備に資金を投入し、株式発行で約280万ドル、ワラント行使で約150万ドルの資金調達を行いました。原料調達の集中や価格変動リスクに対しては仕入先の多様化と在庫管理の改善で対応を図っています。

新市場開拓と事業拡大は鉱区取得と探査計画を通じて進められています。同社は垂直統合戦略を追求しており、2024年にアラスカ州とカナダ・オンタリオ州の鉱区権利を取得して将来的な採掘拡大を目指しています。まず地球物理調査や地質・薄片分析を実施し、将来的には包括的な掘削プログラムを実行する計画で、これにより製品ライン拡充と資源の内製化を狙っています。加えてメキシコやカナダの拠点を生かした供給能力拡大や、ゼオライト事業(BRZ)の生産・販売基盤強化も進めています。

技術革新と内部管理の改善にも注力しています。同社は工場の稼働効率向上や工程改善によって単位当たりのコスト低減を実現しようとしており、また内部統制の強化に向けて最高財務責任者(CFO)や会計担当者の採用、監査委員会の強化、業務管理ソフトやクラウド基盤の導入を進めています。これらは財務報告の信頼性向上と業務の標準化に直結する施策であり、長期的には生産性と規模の経済を活かした収益改善につなげることを目指しています。