Unity Software Inc.U

時価総額
$195億
PER
リアルタイム3Dコンテンツ開発プラットフォームの最大手。ゲームエンジンと広告・収益化のGrowソリューションを展開。2022年に同業を約30億ドルで買収。本拠は米サンフランシスコ、2024年に約25%の人員削減を実施、米国・中国・日本などで展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
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ライバル企業
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同業種の日本企業

事業内容

Unity Software Inc.はゲームやリアルタイム3Dコンテンツを作るための統合開発プラットフォームを運営しています。同社は開発用のエンジンと編集ツールに加え、クラウドやランタイムなど開発から配布までの環境をワンストップで提供しています。

顧客は大手ゲームスタジオから個人のインディー開発者、さらに自動車や映像、拡張現実といったゲーム外の企業まで幅広く、ソフトウェア利用料やクラウド使用料、広告関連の手数料で収益を上げています。同社は大口顧客へ直販しつつ、中小顧客には代理店や再販業者を使うなど複数の販売チャネルを組み合わせ、定額課金と成果連動型の収入を両輪で稼いでいます。

事業は大きく「Create Solutions」と「Grow Solutions」に分かれており、Create Solutionsはリアルタイムの2D/3D制作ツールと開発支援サービスを、Grow Solutionsはユーザー獲得や収益化を支える広告仲介や広告ネットワーク、オファーウォールなどを担っています。さらに小規模スタジオ向けのパブリッシング支援(Supersonic)や端末内でのアプリ発見を促す機能(Aura)などの製品ラインを通じて、開発からマネタイズまでを一貫してサポートしています。

経営方針

同社はまず財務基盤の立て直しと持続的成長の両立を目指しています。2024年の売上高は約18.1億ドルで、Create Solutionsが約6.1億ドル、Grow Solutionsが約12.0億ドルを占めました。経営陣はGAAPベースでの黒字化を目標に掲げ、人員削減(約25%)や拠点の整理でコスト構造を引き締め、非中核事業からの撤退や投資の選別でキャッシュ効率を高める計画です。なお、非戦略的ポートフォリオからは2024年に約9,000万ドルの売上があったものの、これらは2025年にかけて減少する見込みです。

重点投資分野はエンジンを中核とするCreate領域と、広告・マネタイズを担うGrow領域に絞られています。同社はUnityエンジンおよび関連の消費型サービス、マネタイズ領域を「戦略ポートフォリオ」と位置づけ、プロフェッショナルサービスを限定的に残す一方で、独自の芸術制作ツールの独立開発は停止し、エディタへの統合を検討するなど差別化に資源を集中しています。加えて、億ドル規模の大型顧客基盤(年間で10万ドル超の収益をもたらす顧客は2024年末で1,254社)と、コンテンツ制作者コミュニティの規模を活かしたプラットフォーム優位性を訴求しています。

新市場開拓では「ゲーム以外の産業(自動車など)」への横展開を進めるとともに、中国での現地法人(Unity China)設立や、買収したironSourceを通じたパブリッシングや広告技術の強化でグロースを図っています。なお過去に発表したCreate製品の価格構成変更は顧客反発を招いたため、2024年第三四半期にサブスクリプション中心のモデルへ戻しつつ、ゲーム向けには値上げを実施する方針に修正しており、当面は契約の安定化と既存顧客の更新・拡張に注力しています。

技術革新ではレンダリングやオーディオなど基盤技術の強化に加え、機械学習とデータ基盤の大規模な再構築を進めています。2024年にUnity 6を発表し、2025年第一四半期には新しい機械学習モデル「Vector」の展開を開始するなど、Grow領域の広告パフォーマンス改善やCreate領域の開発速度向上を狙っています。これらの技術投資は短期的に収益に影響を与える可能性がある一方で、長期的な差別化とマネタイズ力の向上につながると同社は説明しています。