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TRAVELZOOTZOO
事業内容
Travelzooは、旅行・エンターテインメント・ローカルの厳選割引情報を会員に配信するデジタルメディア企業です。同社は専門のディールチームが世界中の旅行業者や店舗から優良なオファーを選び、メールやアプリでタイムリーに通知するサービスを中心に、掲載前の可用性確認や専用の会員サポートも行っています。
主要な顧客はディールを利用する消費者会員と広告主であり、収益は広告掲載料や販売促進の手数料、Jack’s Flight Clubなどの有料会員加入料、ライセンス収入などから成り立っています。同社は会員の購買意欲や反応率の高さを強みとして広告主を誘引し、広告とサブスクリプションで収益を組み合わせています。
事業は大きく「Travelzoo North America」「Travelzoo Europe」「Jack’s Flight Club」「New Initiatives」の四つの報告セグメントに分かれています。北米・欧州の地域事業は広告とバウチャー販売を中心に展開し、Jack’s Flight Clubはフライトアラートの有料会員サービス、新規事業ではライセンス提供やメタバース関連サービスなどの新たな収益源を模索しています。
経営方針
同社はブランドの信頼性を基盤にした成長を目指しています。具体的には、TravelzooとJack’s Flight Clubの知名度を活かして会員の価値と利用頻度を高め、広告主からより独占的で魅力的なオファーを引き出すことで収益を拡大する戦略です。直近では会員獲得のためのマーケティング投資を見直しており、2024年の会員獲得関連支出は約$2.5百万、2023年は約$7.0百万でした。同社は購読型サービス(Jack’s Flight Clubのプレミアム会員等)や広告収入の両輪で成長することを目指しています。
同社は差別化のために「品質あるオファー提供」と「顧客体験の担保」に重点投資しています。具体的には5,000を超える旅行・エンタメ・ローカル提供者から専門家が選定した最良の案件のみを配信し、掲載前に可用性を確認するテスト予約センターを運用しています。加えて専任の会員対応チームを維持することで購買率や満足度を高め、広告主に対しては「反応の良い高品質な会員層」を提供することで競合との差別化を図っています。
同社は新市場開拓と事業拡大にも積極的です。報告区分では「Travelzoo North America」「Travelzoo Europe」「Jack’s Flight Club」「New Initiatives」の四つを運営しており、アジア太平洋向けのライセンス展開やTravelzoo META、2022年買収のMTEなど新規サービスの立ち上げを進めています。加えてオフィス基盤を欧米に複数展開しており、今後も事業拡大に伴って追加施設を想定しています。資本配分では自社株買いも並行して行っており、2024年4月には1,000,000株を約$8.8百万で買い戻すなど余剰資本の還元も継続しています。
同社は技術面での投資にも注力しており、リアルタイムで掲載情報を更新する仕組みや、Jack’s Flight Clubが日々何千ものデータポイントを探索するフライト検索技術などを活用しています。生成型AIやメタバース領域への応用も検討中で、Travelzoo METAやMTEを通じた新体験の開発を進めています。またデータ保護やサイバーセキュリティ対策にも組織的に取り組んでおり、データ保護責任者(DPO)による社内教育や外部ベンダーのリスク評価を実施している点も特徴です。