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TXO Partners, L.P.TXO
事業内容
TXO Partners, L.P.は北米の従来型の原油、天然ガス、天然ガス液(NGL)資産の取得・開発・最適化・生産を主業務とする上場パートナーシップです。主に既に生産中の資産の効率化や既存井の最適運用に注力し、低地質リスクで減産率が低いと判断した権益を中心に取り扱っています。保有地はペルミアン盆地、サンフアン盆地、ウィリストン盆地に集中しています。
同社は生産した原油・天然ガス・NGLを少数の大口購入者に販売して収益を得ており、2024年はChevron USAやGunvor USAが売上の大きな割合を占めました。収益の大部分は短期の売買契約による現金売上で賄い、営業キャッシュフローを元に四半期ごとに「分配可能な現金」をユニット保有者に分配する方針を取っていますが、商品価格の変動により分配額は四半期ごとに大きく変動します。
同社の事業は主に生産(E&P)活動、資産取得と統合、既存設備の最適化というラインに分かれます。具体的には掘削・掘り直し・後工程(ワークオーバー)や貯留層の回収率向上施策、開発井の追加、ガス処理施設の運営などを通じて回収量とキャッシュフローを高める活動を行っています。財務面では営業キャッシュフローを中心に資本支出を賄い、必要時は借入やヘッジで価格変動リスクや成長資金を管理する戦略を取っています。
経営方針
TXO Partnersは、四半期ごとに「利用可能な現金」を原則すべて分配するパートナーシップ方式を採用しており、投資家への現金分配の拡大を主要な成長目標としています。同社は2025年の開発予算を約3,000万〜5,000万ドルと見込んでおり、事業収益の多くを維持・開発と取得に振り分けながら、分配を増やしていくことを目指しています。また、財務の健全性確保のためにネット債務をEBITDAXで割った比率を1倍以下に抑えることを方針としており、ヘッジを活用して商品価格変動リスクを抑制する戦略を取っています。
重点投資分野は、地質リスクが低く長期にわたり安定的に生産が見込める従来型資産で、主要な作業エリアはパーミアン、サンフアン、ウィリストン各盆地です。保有は総リース権面積約1,117,628エーカー(ネット549,229エーカー)と大規模で、資産の「低減率(ベースの生産低下率)」は約9%と見積もられており、安定した現金創出力が差別化要因になっています。経営陣は平均30年以上の業界経験を有し、過去に約150億ドル相当の買収実績があり、役員ら自身も累計5億ドル超を出資しているため、買収の発掘・統合・最適化能力が同社の強みです。
新規市場や事業拡大については、サンフアン盆地のMancosシェールで約58,500エーカーの連続保有を有しており、そのうち約3,500エーカーを第1フェーズとして段階的に開発する計画です(2024年末時点で確定済み埋蔵量は計上されていません)。また、既存の操業地域では付加的な生産層の地質調査や周辺権益のボルトオン取得を通じて埋蔵量と生産を補強する方針で、資金調達は主に営業キャッシュフローを基本としつつ、必要に応じて信用枠や機会に応じた増資を活用する計画です。なお、2024年末の借入金は信用枠からの借入150百万ドル、長期負債合計で157.1百万ドルとなっており、取得と拡張には慎重な資本運営が求められます。
技術革新への取り組みは、掘削・完井・生産の効率化を通じて回収率とキャッシュフローを改善する実務中心の方針です。同社は機械的・運用面での改善、既存井の作業(ワークオーバー)、パイプ後ろの完成手法、二次・三次回収といった手段に資本を配分すると明示しており、「次世代技術」へ資本配分する余地も残しています。こうした現場改善とターゲット取得を組み合わせることで、低リスクで予測可能な生産プロファイルを維持しつつ、投資家に対する継続的な分配拡大を目指しています。