TWO HARBORS INVESTMENT CORP.TWO

時価総額
$10.1億
PER
MSRとAgency RMBSに投資・運用する投資会社の大手。自社運営の住宅ローン・サービシングとローン組成プラットフォームを展開。2023年9月30日に住宅ローンサービス会社を約4,454万ドルで買収、2023年2月に1,000万株公募で約1.756億ドルを調達。米国中心に展開。

事業内容

TWO HARBORS INVESTMENT CORP.は、住宅ローンに関連する資産に投資・運用する金融会社で、主に住宅ローンの返済管理権(MSR)や政府系機関が保証する住宅ローン担保証券に注力しています。加えて、自社でローン管理の事業基盤を整備し、資産の現金化や管理を内製化することで収益機会を拡大しています。

主要な顧客は同社の投資家や金融機関で、収益は保有する証券からの利息や価格変動による損益と、ローン管理業務からの手数料収入が中心です。さらにローンの新規組成による利ざやや有利なタイミングでの資産売買が補完的な収入源となり、金利や住宅市場の動きで収益構造が変動します。

事業は大きく分けて、(1)住宅ローンの返済管理権を取得・運用する事業、(2)政府系保証付きローンの証券を保有して運用する投資事業、(3)子会社を通じたローン管理・代行やローンの新規組成の三本柱で構成されています。これらの事業は資金調達やリスクヘッジの仕組みで支えられ、金利変動や繰上げ返済といった運用リスクに対応しています。

経営方針

同社は成長戦略として、住宅ローンのサービス権(MSR)と公的支援付きの住宅ローン担保証券を組み合わせたポートフォリオへの集中を目指しています。具体的には資本配分をMSRとAgency RMBSの組合せへ優先的に行い、ポートフォリオの5〜10%程度をその他の金融資産で補完する運用方針を掲げています。税務上のREIT要件維持にも注力しており、2024年末時点で少なくとも75%の資産がREIT適格資産に該当すると算出しているほか、55%・80%の投資会社判定基準も遵守しているため、配当原資の安定化と税制上の優遇を確保することを目標としています。

重点投資分野として同社はMSRとAgency RMBSに注力し、この組合せを用いて金利変動や繰上返済(前倒し返済)などのリスクを相殺する差別化を図っています。MSRは貸付の返済動向や金利環境に敏感に反応するため、同社は独自の前払率や金利リスク解析能力を活用してヘッジを最適化し、単独でRMBSを保有する場合に比べて業績の変動を抑えることを目指しています。加えてサービシング機能の内製化による優位性を強化しており、2023年9月に買収したRoundPointの最終買収対価は約4,450万ドル、のれんは約2,750万ドルで、同社はこの買収によりMSRの社内運営を通じたコスト削減とキャッシュフローの制御を図っています。

新市場開拓と事業拡大では、サービシングの外部委託受託(サブサービシング)や住宅ローン仲介・組成の拡大を掲げています。同社はこれらの事業を通じて既存のMSRポートフォリオと相互に補完する収益源を確保し、借り手の再獲得や手数料収入の増加を狙っています。資金調達・資本政策面ではレポ取引やコミットメント型の信用枠、転換社債などで適度なレバレッジを用いる方針で、株式面では「マーケット・オファリング」枠を15,000,000株に拡大するなど柔軟な資金調達手段を持っています(2023年には約7.13百万株を売却し純収入約9,980万ドル)。また自己株買いの実績としては累計で3,637,028株、約2.085億ドルを消化しています。

技術革新については、情報セキュリティと運用効率を両輪で強化する取り組みを進めています。同社は業界標準に基づくセキュリティ対策を導入し、多要素認証や自動化された脅威検知、脆弱性管理、定期的な侵入検査や外部の24時間監視サービス契約を通じたインシデント対応体制を整備しています。これに加え、前払率や金利リスクを解析する独自モデルやデータ分析基盤を運用しており、MSRとRMBSのヘッジ戦略や起債・買入判断に活用しています。人材面では2024年末時点で477名のフルタイム換算従業員を抱え、サービシングと技術両面の能力を高めることで中長期的な競争力の維持を目指しています。