TWILIO INCTWLO

時価総額
$202.9億
PER
コミュニケーションAPIと顧客データプラットフォームの最大手。メッセージング、音声、メール、認証やAI予測を組み合わせた統合プラットフォームを展開。2024年までに自社株30億ドル買戻し、25年1月に新枠20億ドル承認。米国中心に世界展開。

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企業概況
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同業種の日本企業
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事業内容

Twilio Incは、企業が顧客とやり取りするためのクラウド通信と顧客エンゲージメント基盤を提供しています。主に開発者向けのAPIを通じて、メッセージ、音声、メール、認証などをアプリに組み込める機能と、顧客データを活用するプラットフォームを提供しています。

同社の顧客は個人開発者や中小企業から大手企業まで幅広く、2024年末時点で32万5千以上のアクティブアカウントがあります。収益は利用量に応じた課金や定額サブスクリプション、大口の企業契約が柱で、セルフサービスと営業主導、パートナー経由という複数の販売経路で顧客を獲得しています。

同社は事業を大きく二つの報告セグメントで運営しており、通信側はメッセージング、音声、メール、デジタル接客やユーザー認証といった製品群を含みます。もう一つのセグメントは顧客データ基盤(Segment)で、企業がファーストパーティデータを統合して個別化した顧客体験を作ることを支援します。研究開発は小規模チームで迅速に動き、AIや自動化、信頼性・セキュリティに注力しています。

経営方針

同社は「コミュニケーション+コンテクストデータ+AI」を一体化した顧客エンゲージメントプラットフォームのリーダーになることを成長戦略の中心に据えています。具体的には、開発者向けのAPIとソフトウエア製品を組み合わせて新規顧客獲得と既存顧客の利用拡大を図り、収益成長と最終的な持続的な黒字化を目指しています。現状のビジネス規模を示す数字として、2024年12月末時点でのアクティブ顧客数は約325,000アカウントであり、過去数年は投資と成長のために赤字が続いている(2024年の純損失は約1億940万ドル、累積欠損は75億ドル)ものの、増収と利益改善を同時に達成することを重視しています。

同社は差別化のために複数の重点投資分野を明確にしています。研究開発では小規模な開発チームを重視して迅速な製品改良を行い、2024年末時点で研究開発組織に2,581人を配置しています。また、プラットフォームの信頼性・可用性・セキュリティと配信能力(メールやメッセージの到達性)に対する投資を拡大し、セルフサービス(開発者向け)と営業主導、パートナー経由という三本の販売軸を併用して差別化を図っています。さらに、営業体制の効率化を進めるために営業人員の削減とセルフサービス強化、自社業務へのAI・自動化導入を進めています。

同社は新市場開拓と事業拡大に際して、パートナーエコシステムと買収・統合を活用する計画です。過去の成長は有機的獲得が中心ですが、補完的な企業買収や統合で機能拡張を行ってきた一方で、2023年にはIoTやValueFirstの譲渡、2024年にはZipwhipのソフトウエア部門の整理といった事業見直しも実施しています。財務面では株主還元策も進めており、2024年末までに約30億ドルを自社株買いで消化し、2025年1月には新たに最大20億ドルの買戻し枠を承認するなど、資本配分の柔軟化も図っています。

技術革新への取り組みでは、生成系や予測系を含むAI・機械学習の実装を最優先事項とし、製品の付加価値向上と社内業務の自動化を両面で推進しています。APIベースのメッセージング、音声、メール、ユーザー認証に加え、顧客データ基盤(Segment)を統合して「一元化された顧客プロファイル」を実現し、AIを使ってタイミングや内容を最適化することで顧客ごとの個別対応をスケールさせようとしています。インフラ面でも容量拡大と信頼性強化に資本・技術を振り向け、顧客のサービス継続性を担保することに注力しています。