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TripAdvisor, Inc.TRIP
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事業内容
TripAdvisor, Inc.は旅行者向けの情報検索・比較・予約プラットフォームを運営しています。ユーザー投稿の口コミや写真を軸に宿泊施設や観光体験、レストランの検索・比較ができ、ウェブとアプリでトラフィックを集めています。これにより旅行者と事業者のマッチングを図っています。
同社の主要な顧客は旅行会社や宿泊事業者、ツアー・体験提供者、そして飲食店で、収益は主に広告・リード販売と予約成立時の手数料で成り立っています。特に大手旅行サイトへのクリック誘導や広告が大きな収益源で、2024年はBookingとExpediaが連携先として合計で約22%の売上に寄与しました。
事業は主にブランドTripadvisor、Viator、TheForkのセグメントに分かれています。ブランドTripadvisorは口コミとメタ検索で広告収益を生み、Viatorは観光体験の予約を受け支払いを回収して事業者に精算するモデルを採り、TheForkは飲食店の予約仲介で着席あたりの手数料と予約管理ソフトのサブスクリプション収入を得ています。さらに同社は検索対策や個人化、マーケティング投資を通じてユーザー獲得と直販比率の向上を目指しています。
経営方針
同社は「世界で最も信頼される旅行・体験情報源」を目指しており、成長戦略の中心にはブランド強化と収益性の両立があります。事業はBrand Tripadvisor、Viator、TheForkの三つのセグメントで運営されており、特に体験(Viator)と飲食(TheFork)の分野に注力して市場シェアを拡大する方針です。季節要因を踏まえたマーケティング投資の最適化や、直販チャネルからの予約比率向上を通じて売上と利益の安定化を図っており、株主還元では2023年に承認された2億5千万ドルの自社株買い枠(2024年12月31日時点で約2億ドル残高)が運用余地として確保されています。
重点投資分野は「体験」と「飲食」の二領域で、差別化は大量のユーザー生成レビューとコンテンツ、ならびに両面マーケットプレイスの仕組みを通じて図られています。具体的には、Viatorでは商品供給とマーケティング、プロダクト改善に投資してオンラインの体験予約を拡大し、予約時に全額を徴収して体験実施後に事業者へ精算する決済モデルや「Reserve Now, Pay Later」の選択肢を提供しています。TheForkは11か国で約55,000店のレストランを扱い、席数に応じた手数料とサブスクリプション型の予約管理サービスで飲食店側の収益化を図っている点が差別化要素です。
新市場開拓と事業拡大では、オフライン主体だった体験市場のデジタル化を大きな成長機会とみなし、グローバルなパートナーシップ拡大と大手OTAとの連携強化で需要取り込みを狙っています。資本面では、LTRIP(旧リバティ)との合併を通じて支配株主構造の解消を目指す計画が公表されており、取引条件にはLTRIPが保有する約2,680万株の償却や、約3.3億ドルを想定したローン枠(TRIP Loan Facility)などの具体的な資金スキームが含まれています。なお主要旅行パートナーであるBookingとExpediaは2024年において合計で約22%の連結売上を占めており、パートナー依存を管理しつつ新規流通チャネルの拡大を進めます。
技術革新については、同社は製品開発、データ管理、個別化(パーソナライズ)や検索技術、スケーラブルなインフラに継続投資しています。エンジニアやデータサイエンティストなどの人材に依存するため、人材の採用・定着施策と株式報酬制度(開示上はRSUの未認識報酬が約2.45億ドルで、償却期間の加重平均は約2.5年)を用いて組織力を高めています。マーケティング面でも生成型AIなど新しいチャネルを活用しつつ、内部で用いるユーザーメトリクスの精度改善に取り組み、ユーザー体験の向上と広告・予約の収益化を同時に推進する方針です。