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TOOTSIE ROLL INDUSTRIES INCTR
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事業内容
TOOTSIE ROLL INDUSTRIES INCは主にキャンディやチョコレート菓子の製造・販売を行う老舗メーカーです。同社はTOOTSIE ROLLやDOTS、CHARMS、JUNIOR MINTSなどのブランドでスティック状やソフトキャンディ、ロリポップ、チョコレート系の製品を幅広く展開しています。
同社の顧客は卸売業者やスーパーマーケット、量販店、ドラッグストア、ドルストア、自販機事業者、オンライン小売業者のほか、チャリティーの募金販売や軍需向けも含まれます。こうした多様な販売チャネルを通じた製品売上が収益の大部分を占めており、パッケージや価格帯を使い分けて市場に応じた販売を行っています。
事業は菓子の製造・販売という単一セグメントで、製品ラインはチューイングキャンディ、キャラメル、ロリポップ、チョコレートミント、ガムやバブルガムなどに分かれます。生産は米国内外の自社工場(米国、カナダ、メキシコ、スペインなど)で行い、主な販売地域は米国、カナダ、メキシコです。同社は原料や流通コストの変動を踏まえつつ、価格や包装の調整で製品ポートフォリオを管理しています。
経営方針
同社は長期的に株主価値の安定的な向上を目指しています。財務面では保守的な財務体質を維持しており、2024年は純利益86,827千ドル、営業キャッシュフロー138,889千ドルを計上しました。同社は歴史的に四半期配当(2024年は1株当たり0.09ドル)と年1回の3%株式配当を継続しており、株主還元の一環として2024年に総額13,534千ドルの自己株式取得を行うなど配当と買戻しを通じた安定的なリターンを目指しています。また、2024年末の現金・投資残高は約526,968千ドルで、十分な内部資金により成長投資と配当を両立させる資金基盤を確保しています。
同社は既存ブランドと生産能力への投資を重点分野と位置づけています。製造設備や工場運営に継続的に投資し、2024年の設備投資は約17,997千ドルとなっており、製品品質の改善や特定製品ラインの増産、工程の効率化を進めています。差別化は100年超の歴史を持つトッシーやドッツ、ジュニアミンツ等の確立されたブランド力と、コスト効率の高い自社製造体制に依拠しており、在庫最適化の取り組みで2024年には在庫を17,296千ドル(18.2%)削減するなど、需要変化へ素早く対応できる運営を目指しています。
新市場開拓と事業拡大では北米を軸にしたチャネル拡大を優先しています。主な市場は米国、カナダ、メキシコで、カナダやメキシコ、スペインにも生産拠点を持つことで地域ごとの需要に対応しており、卸売・スーパー・ディスカウント店・会員制倉庫店・電子商取引といった多様な販売チャネルを活用して販路拡大を図っています。原料コスト変動対策として砂糖など主要原料の先物ヘッジや為替フォワードを適時活用し、商品別に価格実現や包装見直しを行うことで収益性の確保と販売拡大を両立させようとしています(注文残高は2024年末で約1,000万ドル)。
技術革新への取り組みとしては、製造現場の設備更新と情報技術の強化を並行して進めています。製造面では特殊設備の更新や統合的な導入により生産性向上を図る一方で、導入が遅延した場合のリスク管理も行っています。情報面ではサイバーセキュリティ・プログラムを整備し、インシデント対応計画、バックアップ・復旧体制、外部専門家の活用、サイバー保険の導入などで運用リスクを低減しており、従業員向けのセキュリティ教育や定期的な監査報告を通じてIT面の安全性向上を目指しています。