T-Mobile US, Inc.TMUS

時価総額
$2243.9億
PER
無線通信サービスの大手。2024年12月時点で1.295億の契約者と高速5Gネットワークや固定無線ブロードバンドを展開。2023年3月の買収と2024年のジョイントベンチャーへ約9.5億ドル投資。小売店舗網と国内卸売サービスを保有。米国全土で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
108文字)
業績概況
テーマ
2項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
4社)

事業内容

T-Mobile US, Inc.は米国で携帯通信と家庭向けインターネットを中心に事業を展開する通信事業者です。同社は音声・データの携帯通信サービスを主力に、全国規模の5Gネットワークと固定無線を使った家庭向け高速インターネットを提供しています。

同社の主要な顧客は個人のポストペイド(契約)・プリペイド利用者や中小・大手企業で、加入者数の多さを基盤に月額料金や端末販売、法人向けサービスなどから収益を得ています。さらに他社向けの卸売回線供給や提携先を通じたサービス提供も収益源になっています。

事業セグメントは大きくモバイルサービス(個人向けポスト/プリペイド)、法人向け通信、ホールセール(卸売)、端末販売、固定向け高速インターネットに分かれています。同社はネットワーク投資とスペクトラム保有を強みに、顧客体験のデジタル化やAI活用によるサービス改善、新製品の拡充にも注力しています。

経営方針

同社は大規模な顧客基盤を成長の柱に据え、ワイヤレス事業と固定無線ブロードバンドの両輪で収益を拡大することを目指しています。2024年12月時点で契約者は1億2,950万人にのぼり、この基盤を活用して契約者あたり収益の増加や新サービスの導入でトップライン成長を図っています。株主向けには配当と自社株買いを組み合わせた株主還元策を進めており、2024年は一株当たり現金配当として2.83ドルを支払っています。

同社はネットワークと顧客体験に重点投資することで差別化を図っています。ネットワーク面では低周波・中周波・ミリ波という複数の周波数帯を組み合わせた「マルチレイヤー」戦略で5Gのカバーと容量を拡充し、高速固定無線サービスなど新商品を提供しています。顧客面では「アンキャリア」方針により年契約や超過料金、予測困難なローミング課金の撤廃といった利便性を打ち出しており、格安ブランドの取り込みや国内顧客窓口の強化も進めています。具体的な投資事例としては、Ka’ena(Mint Mobile含む)買収で当初約9.56億ドルを投じ、追加の成果連動支払い最大4.20億ドルを想定するなど、低価格帯の顧客獲得に資する施策を実行しています。

新市場開拓では固定回線・光ファイバーへの展開を加速させています。同社はルモス(Lumos)とのジョイントベンチャーに約9.5億ドルを投資して50%持分を取得し、既存の光ファイバー顧客と今後の敷設を取り込む計画です。加えて、3.45GHz帯など中帯域の周波数に関する取引を通じてスペクトルポートフォリオを最適化し、将来のスループット拡大や新地域へのサービス提供を見据えています。これらは固定・モバイルのクロスセルや卸売提供の拡大により収益源を多様化する狙いがあります。

同社は技術革新を成長の推進力と位置づけ、AIを活用したネットワークや運用の高度化に投資しています。特にAI駆動の無線アクセスネットワーク(AI-RAN)や将来の6Gを見据えた外部パートナーとの協業を進め、顧客対応ではT‑Lifeアプリやパーソナライズされた自己解決機能の拡充で顧客体験をデジタル化しています。社内面では業務基盤の刷新(段階的なERP導入)やデータ/セキュリティ強化、AI人材の採用と教育に取り組んでおり、同社はデジタル変革を通じて効率化とサービス品質向上を目指しています。