TASEKO MINES LTDTGB

時価総額
$12.9億
PER
銅・モリブデン採掘の有力企業。SX/EW精錬と選鉱で2007年に360万ポンド、以後年約700万ポンドの銅生産を展開。1999年7月のギブラルタ鉱山買収、転換社債17百万ドル保有、2006年8月に仲裁で約850万米ドルを獲得。カナダ・ブリティッシュコロンビア州展開。

事業内容

TASEKO MINES LTDはカナダの鉱山会社で、主に銅の採掘と製造を行っています。同社はブリティッシュコロンビア州のギブラルタ鉱山を中心に、鉱石を採掘して濃縮処理や溶媒抽出・電解で銅製品を生産しています。

主要な顧客は製錬業者や商品トレーダーで、精鉱や銅カソードの販売が収益の中心です。売価は国際的な銅価格に連動し、売上は米ドルで受け取る一方、操業費は主にカナダドルで発生するため為替変動が利益に影響します。

事業は稼働鉱山の運営、探査・開発、そして鉱山の修復や規制対応などに分かれています。同社は既存の生産からのキャッシュフローで開発案件に資金を投じ、将来の生産拡大と埋め戻しやロイヤリティといった長期的な負担の管理に取り組んでいます。

経営方針

同社は成長を地元鉱山(Gibraltar)と大型開発案件(Prosperity)の両輪で実現することを目指しています。Prosperityについては、プレフィージビリティで既に確定・推定埋蔵量が4.8億トン(品位:金0.43g/t、銅0.22%、カットオフC$4.00 NSR/t)と示されており、詳細なフィージビリティを2007年5月完成予定、環境影響評価書を2007年中頃に提出予定としています。一方、既存のGibraltar鉱山では2007年にSX/EW(溶媒抽出・電解精製)で約360万ポンドの銅を見込み、その後は年産約700万ポンドへ増産する計画や、選鉱設備増設を2008年完成予定として事業規模の拡大を図っています。実績面では2006会計年度の売上高はC$161.9百万、銅販売は約51百万ポンドで、まずは安定した現金収益基盤の拡大を通じて次の大型開発へつなげる方針です。

重点投資は生産設備の増強と資源評価・環境対策に振り向けられています。具体的には選鉱プラントの増設・改良、SX/EWプラントの稼働拡大、そして大型の採掘機器取得(過去に約US$12.5百万でトラックや掘削機を取得)といったキャピタル投資を優先しており、これにより生産コストの低減を狙います。2006年の総生産現金コストは銅換算で約US$1.50/ポンドであり、同社は処理能力向上と設備効率化でこの水準をさらに改善することを目指しています。経営陣のインセンティブ整備も行っており、株式報酬制度(オプションプラン)は発行済株式の最大10%を枠とし、2007年3月時点で約4.8%相当のオプションが発行済みであることから、経営と株主利益の整合を図っています。

事業拡大と新市場開拓では、まずProsperity開発を通じた中長期の鉱山立地拡大を最優先に据えています。環境影響評価と改訂フィージビリティの完了を受けて、許認可取得後は大規模な露天掘り・集中処理で銅と金の生産を大幅に増やす計画です。並行してGibraltarは処理能力を高めて短期的な収益を確保し、金属価格が好転すれば保有案件であるHarmonyについても順次評価を再開する方針です。顧客側ではアジアの精錬業者向けに銅・モリブデンのコントラクト販売を行っており、物流と積出しの安定化による収益確保にも注力しています。

同社は技術革新を成長の差別化要因と位置づけ、鉱山計画や選鉱プロセスの再設計に積極投資しています。具体的には採掘率や機械規模の最適化、複数ラインではなく単一大容量ラインでの処理検討、大型槽を用いた浮遊選鉱設備の採用、先進のミル制御システム導入などにより回収率の向上と運転コスト低減を図っています。加えて送電ルートなど基盤インフラの配置見直しで地域との協調やコスト削減のシナジーを追求しており、研究・探査費も2006年に約C$3.5百万へ増加させるなど技術面への投資を拡大しています。