TERADYNE, INCTER

時価総額
$252.8億
PER
半導体テスト・産業用ロボティクスの大手。メモリやAI向け半導体テスト機や協働ロボット・AMRを展開。2024年5月に他社株式10%を取得で資本参加、事業売却で5,710万ドルの特別利益計上。海外売上比率87%で北米・欧州・アジア中心に世界展開。

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企業概況
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業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
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ライバル企業
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同業種の日本企業
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事業内容

TERADYNE, INCは、半導体向けの自動試験装置を中心に設計・製造・販売を行う企業で、加えてワイヤレス検査装置や産業用ロボットといった工場向け機器も手掛けています。同社はテスト装置とロボットの両方でハードウェアとそれに付随するサポートサービスを提供しています。

主要顧客は半導体メーカーやファブレス設計会社、ファウンドリ、組立・検査を行う外部業者(OSAT)などで、売上は数社への集中が続いています。実際に2024年は上位5社で約36%を占め、Samsungが同社の売上に対して約12.5%の寄与をしている点が収益構造の特徴です。

事業は大きく半導体テスト、ロボティクス、そして防衛・航空宇宙や基板検査、ワイヤレステストなどの「その他」に分かれています。半導体テストはウエハーやパッケージ、システムレベルの試験で品質向上や歩留まり改善を支援し、ロボティクスは協働ロボットや自律搬送ロボット(AMR)で製造・物流の効率化やコスト低減に貢献しています。

経営方針

同社はテスト事業での市場シェア拡大と、ロボティクス事業での収益性の高い売上成長を両立させることを目指しています。直近では半導体テストでメモリと演算向けの製品が2024年に大きく伸びた一方、ロボティクスは2024年に市場全体の弱さで減収となりましたが、モバイル、自動車、産業向けの需要は2025年に回復すると見込んでおり、同社はこれらの分野での成長を狙っています。資本配分は有機的成長とM&Aの両方、そして株主還元のバランスを重視しており、2021年承認の20億ドルの自社株買い枠の下で2024年は約1.99億ドルを買い戻し、2025年は最大4億ドルの買い戻しを目標としています。

重点投資分野として同社は半導体テストとロボティクスに注力しており、差別化は高効率な多面同時試験(マルチサイト)を可能にするFLEXプラットフォームや、パワー半導体や「設計から製造まで一体化した製品(垂直統合製品)」向けのソリューションにあります。ロボティクス側では協働ロボットと自律搬送ロボット(AMR)の新製品を投入しており、たとえばMiR 1200パレットジャックのような機種で高ボリュームの生産現場や物流市場に対応します。差別化の実施策としては、大手OEMやシステムインテグレータとの戦略的提携の強化、2024年にデンマーク・オーデンセに約20万平方フィートの新工場を完成させるなど生産と供給体制の拡充を進めています。

新市場開拓と事業拡大では、自動車・産業用途やモバイル端末のテスト需要回復を取り込みつつ、製造ラインの自動化が進む分野でロボティクスの導入を拡大する計画です。国際展開も重視しており、売上の約87%は米国外で発生しているため、グローバル顧客基盤の拡大とOSAT(外部組立・試験業者)を含むサプライチェーンとの連携強化を図っています。戦略的投資の一例としては、イタリアのTechnoprobeに対する10%出資(約4.83億ユーロを支払い、同社の取締役会席を獲得)や、当該取引に伴う一部事業の売却で得た現金を成長投資に回すなど、M&Aや資本提携を通じた事業拡大を進めています。

技術革新への取り組みは製品開発だけでなく組織的な安全性向上を含んでおり、研究開発と人材維持に継続的に投資しています。製品面ではFLEXプラットフォームや高効率テスト機、協働ロボットやAMRの新機種開発を継続し、サイバーセキュリティ面では最高情報セキュリティ責任者(CISO)主導で取締役会へ定期報告を行い、独立した外部評価を受けた上でセキュリティロードマップを策定しています。また、従業員向けの株式報酬に関連する未認識報酬は約8,260万ドルで平均2.5年で認識される見込みで、人材確保・報酬で長期的な技術力維持を図っている点も特徴です。