Teladoc Health, Inc.TDOC

時価総額
$11.9億
PER
遠隔医療プラットフォーム事業の最大手。AI・データで統合ケアとBetterHelpのメンタルヘルス・慢性疾患管理を展開。2025年1月のCatapult Health買収合意を含む複数の買収実績と100,000訪問/日対応のAPI基盤。本社はバルセロナ、米国・欧州・南米・アジアでサービス提供。

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企業概況
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業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
2社)

事業内容

Teladoc Health, Inc.は遠隔医療を軸にオンライン診療や専門医相談、オンラインでの心理療法などを提供するヘルスケア企業で、患者と医療者をつなぐ総合的なプラットフォームを運営しています。同社はデータ解析やソフトウェアを活用して受診の案内や健康支援を行い、場所を問わず医療サービスを受けられる仕組みを整えています。

主な顧客は企業や健康保険組織、病院・医療機関で、これらと結ぶ契約を通じて継続的な収益を得ています。同社は個人向けにはBetterHelpブランドで直接利用者を集める課金モデルも展開しており、法人向け契約と個人向け課金の両面が収益基盤になっています。

事業は大きく「Integrated Care」と「BetterHelp」の二つのセグメントに分かれており、Integrated Careは遠隔診療、慢性疾患の管理、専門医サービスの統合提供を中心にしています。同社は国際展開や他社向けの白 labelled 提供、データに基づく介入など複数の製品ラインで顧客のニーズに応え、既存顧客へのクロスセルで成長を図っています。

経営方針

同社はメンバー基盤の拡大と収益の質向上を成長の中心に据えています。具体的には、既存のクライアント内での導入率を高めるクロスセルや、BetterHelpを中心としたダイレクト・ツー・コンシューマー(D2C)チャネルの拡大で会員数を伸ばすことを目指しています。経営陣の報酬も業績連動にしており、2025年の調整後EBITDAや2025–2027年の売上年率成長率(CAGR)に基づくパフォーマンス株式単位(PSU)が導入されています。新たに就任したCEOには付与時価約1,500万ドル相当の株式報酬が与えられており、費用認識は2025年1月1日から開始されます。

同社は技術とデータを核にした投資を重点化して差別化を図っています。プラットフォームはAPI(外部システムとつなぐ仕組み)で多様な保険者や電子カルテと連携でき、日次で最大10万件程度の診療に対応できる設計を持つと説明されています。慢性疾患管理やメンタルヘルス、専門医の紹介に至るまでデータサイエンスで最適化する点を強みとしており、資本化されたソフトウェア開発費は2024年末で約3.62億ドルに達しています。また、FDA承認の血糖値測定端末などデバイスとソフトを組み合わせた独自ソリューションも展開しています。

新市場開拓と事業拡大については、国際展開と戦略的買収を並行して進めています。国際拠点はバルセロナを中心に欧州・南米・アジアへ24時間対応のサービスを提供しており、BetterHelpのさらなる海外展開や消費者向けの保険適用の検討を進めています。買収面では2025年1月にCatapult Healthの取得合意を発表するなど、スケーラブルな製品・技術・流通チャネルの取得を狙っており、株主向けインセンティブ枠も増額(2023年誘因プランの発行株式枠を550万株へ拡大)しています。さらに本社を2025年後半にニューヨーク市に移転する計画も公表しています。

技術革新への取り組みは、基幹システムの刷新とAI活用の両輪で進められています。CRM・ERPのアップグレードや新しい電子カルテ(EMR)導入を進める一方で、AIや機械学習を用いた個別化支援や行動喚起(“ナッジ”)の開発に注力しています。ただし同社自身もデータ統合やシステム移行に伴うリスク、AIのバイアスや規制対応の可能性を認めており、サイバーセキュリティ体制の強化や外部による脆弱性検査を実施してリスク管理を図っています。