TAL Education GroupTAL

時価総額
PER
2005年創業の学習サービスの中国大手。AIを活用したオンライン講座と探究・プログラミング等の育成型コンテンツを展開。2021年末に中国本土でK-9学習サービスを停止、2024年2月期に事業再編を継続。中国本土を中心に海外展開。

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企業概況
108文字)
業績概況
テーマ
ブランド
ライバル企業
2社)
同業種の日本企業
5社)

事業内容

TAL Education Groupは中国発の総合教育企業で、2005年に学習塾として事業を始めた後、対面とオンラインを組み合わせた学習サービスや教育コンテンツの制作・販売を主力に展開しています。 同社は技術を取り入れた教材や学習プラットフォーム、AIを活用した支援などで、地理的・経済的条件に関わらず学べる環境づくりを目指しています。

同社の主要な顧客は子どもとその保護者を中心に、学校や学習機関、企業などの教育関係者も含まれます。 かつては幼児から中学生向けの学習指導が収益の大部分を占めていましたが、2021年の規制対応で中国本土の該当サービスを終了した後は、個別指導や少人数クラス、オンライン講座、教材・システムの提供などで収益源を多様化しています。

事業は大きく「学習サービス」と「学習コンテンツソリューション」の二本柱に分かれ、学習サービスは少人数クラスや個別のプレミアム指導、オンラインコース、体験型の延伸プログラムなどを含みます。 学習コンテンツソリューションでは理科や創造性、プログラミング、人文・芸術などの拡張教材を開発し、学校向けの教材提供やデジタル配信、パートナーを通じた販売で広く展開しています。

経営方針

同社は2021年の規制変更を受けて事業の軸を再定義し、持続的な成長の回復を目指しています。具体的には「学びのサービス」と「学習コンテンツソリューション」の二本柱に経営資源を集中させ、顧客体験の向上と提供領域の拡大を最重要課題に据えています。対外的な投資・資本政策でも自信を示しており、2021年に承認した最大10億米ドルの自社株買い枠を延長運用し、2024年4月にはさらに2025年4月末までの延長を承認、約5.038億米ドル分の買い付け余力を公表しています。また、販促費の比率は直近年度で売上に対し約31.0%に達しており(FY2022:25.5%、FY2023:27.8%、FY2024:31.0%)、市場回復と顧客獲得のための投資を継続しています。

同社は重点投資分野として子ども向けの「理科・創造」「コーディング」「人文・芸術」などの教養・拡張プログラムと、学校や教育機関向けの学習コンテンツ供給に注力しています。差別化は長年培った「学而思(Xueersi)」を含む強いブランド認知、社内で蓄積したコンテンツライブラリ、そして少人数クラスやプレミアムな個別指導、オンライン併用のハイブリッド提供といった学習体験設計で図っています。具体的施策としては自社開発コンテンツの拡充と外部ライセンスの組合せ、教材の複数フォーマット化、流通チャネルの多様化(直販・販売代理・EC・ライブ配信)を進めています。

同社は新市場開拓と事業拡大について、海外展開と法人向け製品群の強化を重要施策と位置づけています。海外向けには「Think Academy」など既存ブランドを足がかりに一部地域での学術サービス提供を継続しており、法人向けには学校や企業向けのソリューション販売を拡大しています。拡張方法は自社のオンラインプラットフォームとオフラインの教室網、配信パートナーを組み合わせることで、低コストでのスケールを図る方針です。ただし地方の許認可や現地適応、M&Aや事業統合の難易度といった実務課題を認識しており、段階的な投資判断とリスク管理を伴って展開する計画です。

同社は技術革新を成長の基盤と位置づけ、AIや大規模言語モデルの改善、学習支援の自動化に継続投資しています。具体的には大規模言語モデルの応答速度・精度改善や、教師や学習機関向けの教材生成・配信ツールの実装を進め、AIを用いた個別最適化や運営効率化の実運用ケースを探索しています。さらにデータプライバシーとセキュリティ対策を整備しつつ、短期・流動性の高い投資資産(直近で短期投資残高は約11〜12億米ドル規模)を活用して研究開発と事業投資の原資を確保する方針です。