STRYKER CORPSYK

時価総額
$1378.1億
PER
医療機器、脳神経、整形外科領域の最大手。手術用器具、内視鏡、Makoロボット搭載の関節インプラントを展開。2025年1月にイナリを約49億ドルで買収。米国中心に欧州・アジアで展開、2024年売上高225.95億ドル、従業員数約5.3万人(2024年12月31日)。

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企業概況
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同業種の日本企業
1社)

事業内容

STRYKER CORPORATIONは医療機器と関連サービスを開発・販売している企業で、手術用の器具や手術支援ロボット・ナビゲーションシステム、内視鏡、救急や集中治療で使う消耗品などを主力製品として揃えています。これらを通じて患者の治療成績向上や医療現場の効率化を目指しています。

同社の主要顧客は医師や病院、救急施設などの医療機関で、直接販売や保守・サービス契約、消耗品の繰り返し供給によって収益を上げています。人工関節や植込み型製品などは手術の実施状況や保険償還の動向に収益が影響されやすく、継続的な需要とサービス提供が収益安定の鍵になっています。

同社は大きく「MedSurg and Neurotechnology」と「Orthopaedics」の二つの事業セグメントに分かれており、前者では手術器具や内視鏡、臨床コミュニケーションや人工知能を活用した遠隔医療プラットフォーム、神経外科や血管治療向けデバイスを扱っています。後者では関節置換や外傷用のインプラント、脊椎関連製品やロボット支援手術技術などを中心に展開し、買収や組織再編を通じて製品ポートフォリオを拡充しています。

経営方針

同社はメディカルテクノロジー業界の上位の成長率を達成することを目指しています。2024年の売上高は約$22,595百万で前年同期比10.2%増と堅調に拡大し、調整後の希薄化後1株当たり利益は$12.19(同15.0%増)となりました。長期の資本配分方針としては、買収を最優先に次いで配当、自己株買いを重視しており、2024年は買収に$1,628百万、配当に$1,219百万を投資し、買収余力や自社株買い枠(年末時点で約$1,033百万の余地)を維持しています。

同社は投資の重点を外科用機器や神経分野、整形外科に置き、技術と臨床連携で差別化を図っています。研究開発費は2024年に約$1,466百万(売上比約6.5%)を計上しており、ロボット支援手術システム(Mako)や人工知能を活用した臨床支援プラットフォーム、脳血管や神経外科向けデバイスなど、高付加価値の製品群に継続的に資源を配分しています。消耗品やシステムの組み合わせで顧客の手術環境全体を押さえることで、単品競争よりも長期的な関係構築による安定収益を狙っています。

同社は買収を成長の中核手段と位置づけ、新市場や製品線の拡大を進めています。2024年には複数の買収で合計$1,628百万を支払い、将来のマイルストーンとして最大$400百万の追加支払いを条件とする取引も行いました。事業ポートフォリオでは「MedSurgおよびNeurotechnology(医療外科・神経技術)」が約$13,518百万(全体の約60%)、整形外科が約$9,077百万(約40%)を占めており、地域的には米国販売が約$16,943百万と全体の主要部分を占めるため、海外展開とともに脳血管やインターベンショナル領域など成長分野の獲得を加速しています。加えて、不要資産の整理も進めており、スパイナルインプラント関連資産の売却計画などで事業ポートフォリオを最適化しています。

同社は技術革新を経営の中心に据えており、外部買収と内部の研究開発を組み合わせて新製品化を図っています。買収時ののれんや取得無形資産の一部は、開発済み技術や顧客関係の取得に充てられており、2024年の買収の中で開発済技術の評価額が数百百万ドル規模に上っています。併せてデジタル化やサイバーセキュリティへの投資も強化しており、理事会レベルでの監督体制を敷くことで製品の安全性と顧客信頼を維持しつつ、ロボットやAIを含む新技術の臨床実装と商業化を加速させています。