SOUTHWESTERN ENERGY COSWN

時価総額
$78.3億
PER
489.5倍
天然ガス・原油の探査・生産の大手。アパラチアとヘインズビルでの非在来型ガス開発とマーケティングを展開。掘削リグと圧送ポンプ合計102,000馬力を保有。2024年1月10日にチェサピークとの合併合意、2023年に債務445百万ドル削減。米国内で展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
109文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
ライバル企業
3社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

Southwestern Energy Companyは、米国のアパラチアとヘインズビル地域を中心に、天然ガスとそれに伴う液体(NGL)や石油の探査・開発・生産を主事業としています。同社は主に地中のシェール層など難しい地層の開発に注力し、生産した資源を市場に供給しています。

同社は自社生産物を自らのマーケティング部門を通じて販売し、LNG輸出業者、大手エネルギー会社、電力会社、産業向け需要家などが主要顧客です。収益はE&P(探査・生産)による販売収入とマーケティングによる仲介収入が中心で、2023年は一部の大口顧客への依存や商品価格の変動が業績に影響を与えました。

事業は大きくE&Pとマーケティングのセグメントに分かれ、E&Pはペンシルベニア、ウェストバージニア、オハイオのアパラチア地域とルイジアナのヘインズビル地域での生産活動を担っています。加えて、同社は自社で掘削や仕上げ作業、水の管理と移動といった油田サービスを自社向けに実施する垂直統合を進め、コスト抑制や迅速な現場対応を図っています。

経営方針

同社は財務基盤の強化と持続的なフリーキャッシュフロー創出を成長の柱としています。具体的にはレバレッジ比率と総負債の削減を優先し、流動性の維持と借入金の満期分散を図ることでクレジット格付けの回復(最終的には投資適格への復帰)を目指しています。2023年は非中核資産の売却とフリーキャッシュフローを活用して4億4,500万ドルを債務返済に充て、約1億4,000万ドルの流動性改善を達成したことを公表しており、短期的にはまず債務削減を優先する方針です。

投資の重点分野は、主力の採掘・生産(E&P)であるアパラチアとヘインズビル両地域の資産開発と、そこで発生する天然ガスやNGLの販売を担うマーケティング事業です。差別化の源泉としては自社で保有・運用する掘削機や完成作業、淡水管理などの油田サービスを活用した垂直統合を挙げており、これにより掘削コストの低減や設備最適化、迅速な現場対応を図っています。例えば圧力排出ポンプの合計で10万2,000馬力相当の能力を確保するなど、自己完結的な運用体制で生産性向上とコスト圧縮を目指しています。

事業拡大については規模の経済を生かした選択的なM&Aや資産入替で経営効率を高める方針です。2024年1月にチェサピークとの合併契約を締結し、株式交換比率は自社1株につきチェサピーク0.0867株としており、当初は2024年第2四半期の完了を目標にしています(完了は所定の承認・規制条件を満たす必要あり)。同社は過去の戦略的取引で得たスケールを運用面とコスト面のシナジー創出、経済的な掘削インベントリの拡充に活用するとしており、短期の価格低迷期には生産余力を維持しつつ非中核資産を売却することでバランスを取っています。

技術革新と安全・環境への取り組みを経営の中核に据えている点も特徴です。データ分析や新興技術を活用して掘削・完成工法を改良し、井の生産性向上や設備最適化、貯留層の引き出し管理で基礎生産の減衰を抑えることを目指しています。また健康・安全・環境(HSE)とESGを経営価値に組み込み、商品価格変動から収益を守るための適度なヘッジ運用や、サステナビリティ報告書の公開などで透明性を確保しています。こうした取り組みにより長期的には信用格付けの改善と負債コストの低下を図り、株主価値の向上につなげる考えです。