SKYWORKS SOLUTIONS, INC.SWKS

時価総額
$89.8億
PER
無線・アナログ半導体の大手。RFトランシーバやSAW/BAWフィルタ、3Dダイ積層など高集積製品を展開。2021年7月にSilicon Labsのインフラ・自動車事業を買収、2023年1月に20億ドルの自社株買い枠承認。米国・欧州・アジアを中心に約6,000社へ展開。

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企業概況
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業績概況
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同業種の日本企業
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事業内容

Skyworks Solutions, Inc.は無線やアナログ分野の半導体を設計・製造しており、送受信機からアンテナ周りのフロントエンド、各種フィルターや受動部品、複数チップを一体化したモジュールなどを主力製品としている。同社は約5,000件の特許などの知的財産を活用し、高い性能と集積度を備えたソリューションを提供している。

同社の主要顧客は大手の機器メーカーやスマートフォンメーカー、ベースバンド設計パートナーなどで、数社が売上に占める比率が高いことが特徴である。同社は設計段階から顧客と協働して採用を獲得し、グローバルな供給網を通じて注文ベースの半導体販売で収益を上げている。

事業の中心はモバイル向けの無線フロントエンドや各種フィルター(SAWやBAW等)、受動部品、先進的な集合実装技術などの製品ラインであるが、車載、データセンター、産業用、自動化、医療、無線インフラなど高性能アナログ市場への拡大も進めている。同社は自社生産と外部パートナーを組み合わせたハイブリッド生産体制を採り、約6,000社の顧客と多数の製品を通じて需要に応えている。

経営方針

同社は売上の成長と資本効率の両立を重視しています。直近の決算では2024年度売上高が約41.8億ドル(前年から12.5%減)となりましたが、明確な売上目標は開示しておらず、代わりに株主還元と財務基盤の強化を並行して進めています。具体的には、株式買戻しプログラムで最大20億ドルを上限に設定しており(2024年9月時点で約19億ドルが残存)、四半期配当も増額傾向にあるため(2024年通期の配当合計は1株当たり2.74ドル、加えて2024年12月支払予定の四半期配当は0.70ドルを宣言)、これらを通じて株主価値の向上を図っています。

同社は研究開発と製品差別化に重点投資しています。研究開発費は売上の約15.1%を占め、2024年度は約6.3億ドル規模を投じているため、技術強化が経営戦略の中核です。製品面では、送受信回路からアンテナに至るまで広い製品群を持ち、受動部品や高集積化(独自のシールドや3次元ダイスタッキングなど)やフィルター技術で差別化を図っています。加えて世界で約5,000件の特許等を保有する知的財産を背景に、顧客の設計段階から深く参画することで「部品を売る」以上のシステムソリューション提供を目指しています。

新市場の開拓では、携帯機器中心の事業から自動車、基地局・インフラ、データセンター、産業用センサー、医療、スマートエネルギーなど高性能アナログ需要のある分野へ積極的に広げています。既に2021年にSilicon Labsのインフラ・車載事業を取得して車載・インフラ顧客を強化しており、この買収はタームローンと社債の発行などで一部を資金調達して実行されました。製造面では自社拠点(大阪やシンガポール、メキシカルなど)と外部アライアンスを組み合わせるハイブリッド生産体制を維持し、顧客の需要変動に伴う供給安定化と市場拡大を両立させる方針です。

技術革新への取り組みは研究開発投資と製造革新の両輪で進められています。製品の小型化・高集積化、省電力化に向けてモジュール化や複数技術の組み合わせを推進すると同時に、歩留まり改善や設計・製造のサイクル短縮にも注力しており、これがコスト競争力につながっています。加えてAIツールや基幹業務システムの導入を検討・実施していますが、同社自身も報告書で運用リスクや規制対応の必要性を認識しており、安全性と知財保護を確保した上での活用を進めています。