Service Properties TrustSVC

時価総額
$2.7億
PER
商業用不動産投資信託の大手。ホテル206棟、35,871室と小売系ネットリース742物件(1,329万平方フィート)のポートフォリオを展開。RMRが運営管理を担当し、Sonesta株34%保有と2025年2月の物件取得契約。米国中心、カナダとプエルトリコを含む展開地域。

事業内容

Service Properties Trustは、不動産投資信託(REIT)として主にホテルとサービス重視のリテールのネットリース物件を保有しています。同社は米国を中心に多数のホテルと小売一棟貸し物件を保有し、日々の運営や投資判断は外部の運営会社が実務を担当しています。

主な顧客はホテル運営会社や単独テナントの小売業者、トラベルセンターなどで、賃料収入やホテル関連の営業収入が収益の中心です。同社は多くのホテルを関連会社に賃貸し第三者が運営する仕組みで収入を得ており、借入や資産売却、増資によって資金を補完しています。

事業は「ホテル投資」と「ネットリース投資」の二本柱で構成されています。同社のホテルポートフォリオは複数の州と一部海外に広がり、多数のホテルが特定の運営会社により運営されている一方、ネットリースはトラベルセンターや生活必需型の小売など単独テナント型が多く、テナントが税金や維持費を負担する契約が中心になっています。

経営方針

同社は成長戦略としてポートフォリオの最適化と資本効率の改善を目指しています。2024年末時点でホテル206軒(合計35,871室)とサービス重視の小売ネットリース742物件(約1,329万平方フィート)、合計948物件を保有しており、保有資産の選別で収益性と財務健全性を高めることを掲げています。具体的には、ソネスタが運営する延長滞在型・セレクトサービスのホテル114軒(合計14,925室)を2025年に売却して得た純売却収益を借入金の返済に充て、レバレッジ低減と資本の流動性確保を図る計画です。配当政策はREITのルールに従い、現状の普通株向け現金配当は四半期0.01ドル(年0.04ドル)で、将来の配当水準は取締役会の裁量で決定されます。

同社は投資の重点分野をホテル投資と必要性の高いサービス系ネットリースに絞り、オペレーターとの長期関係をもって差別化を図っています。ソネスタ(同社は同社株式の保有を通じた関係を有する)やTravelCenters of Americaなど大手運営会社と連携し、複数物件を一括で取得して既存の管理・賃貸契約に組み入れることで稼働安定性と信用特性を強化するのが具体策です。また、テナントの信用状況を継続的に監視し、早期の契約更新交渉や資産リサイクル(売却と再投資)を活用して賃料収入の維持・成長を図ります。

新市場開拓と事業拡大については、既存のホテルおよびネットリース分野での選別的な買収を継続する方針です。同社は単一物件よりも複数物件のパッケージ取得や既存ポートフォリオへの追加を優先し、場合によってはジョイントベンチャーや異なる資本手段(エクイティや資産譲渡等)を用いて資本効率を高めます。近年は売却と取得を組み合わせた資本再配置を実行しており、2024年は複数物件の売却を行い、2025年に予定する主力ホテル群の売却で負債返済と再投資余力の確保を進める計画です。

技術革新については、事業運営を委託するRMRを通じてサイバーセキュリティ強化とAI(機械学習)の実装に取り組んでいます。具体的施策として監査委員会が最高情報責任者から定期的に報告を受ける体制を整え、詳細なインシデント対応計画を備え、外部ベンダーのIT運用状況も監視しています。AIは一部の業務フローで活用を開始しているものの、データ品質管理、偏り防止、個人情報保護、継続的な検証とガバナンスを導入して意図しない結果や規制リスクの発生を抑制する運用ルールを整備中です。