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SUN COMMUNITIES INCSUI
事業内容
Sun Communities, Inc.は、不動産投資信託(REIT)として米国・カナダ・英国で製造住宅(モバイルホーム)やレジャー用車両(RV)コミュニティ、マリーナ、英国のホリデーパークを所有・開発・運営しています。同社は各物件を自主管理したり、場合によっては第三者に管理を委託しながら、居住用サイトや係留スペースの賃貸を中核事業としています。
主要な顧客は製造住宅やRVの居住者、ボート所有者、そして英国や米国の休暇客で、収益はサイト賃料や係留料、施設利用料といった不動産関連収入と付随サービス収入が中心です。同社は物件運営から得られる安定したキャッシュフローを重視し、賃料や付帯収入の拡大で収益性を高めています。
事業は製造住宅(MH)部門、RV部門、マリーナ部門、英国セグメントの四つで構成され、それぞれ敷地数や係留数に基づいて運営・投資を行っています。同社は近年、既存資産の賃料成長と運営効率の向上で価値最大化を図りつつ、非戦略的資産の売却や選択的な買収・拡張(近時はマリーナ取得など)に注力しています。
経営方針
同社は安定した不動産収入の最大化を成長の中心に据えています。具体的には、既存ポートフォリオの賃料引き上げと入居率改善、経費管理による有機的なキャッシュフロー成長を重点目標としており、2025年はヘッドラインのインフレ率を上回る賃料成長を見込んでいます。加えて、余剰キャッシュフローや株式発行・資産組替えで得た資金は主に債務削減に充てる方針を打ち出しており、投資適格の格付け維持と無担保債市場へのアクセスを活かして資本コストの最適化を図っています。
重点投資分野は、マニュファクチャードホーム(MH)・RVコミュニティ、マリーナ、英国のホリデーパーク等の実物資産で、同社は所有から運営、開発までを自社で統合して行うことを差別化要因としています。規模の優位性も強みであり、2024年末時点でMH/RVの総サイト数は約154,360、マリーナの総スリップ数は約48,760、英国のサイト数は約22,030に達しています。加えて2024年は戦略的に非中核資産を売却(合計6,526サイト、売却総額約4.77億ドル)し、逆にマリーナには約6,380万ドルを投じて3件+拡張3件(合計925スリップ)を取得するなど、選別した再投資でポートフォリオの質を高めています。
新市場開拓や事業拡大は慎重な選別を前提としています。金利上昇環境を踏まえ、開発活動は縮小し、開発以外の資本支出は進行中案件や最も戦略的な機会に限定する計画です。一方で買収パイプラインは維持し、厳格なアンダーライティング基準を満たす案件に限定して取得を進めます。地域戦略としては、フロリダ、ミシガン、カリフォルニア、テキサスなど既に強い地盤を持つ市場でのシェア拡大を志向しており、さらにSafe Harborの売却交渉(2025年2月に約56.5億ドルの売買契約を締結)など大規模な資本再編により資金や経営リソースを再配分する可能性もあります。
同社は技術革新と管理体制の強化によって事業の信頼性を高めることを目指しています。2024年に導入した統合型ERPの実装で職務分掌や報告レポートの検証に課題が発生したため、外部専門家の支援を受けてリスク評価とギャップ分析を実施し、ERPへのアクセス監視ソフト導入や手作業仕訳のレビュー再設計、職務分掌の強化といった具体的な是正策を進めています。また情報セキュリティ面ではISO27001に準拠した委員会運営、脆弱性監視、侵入テストや従業員向けの訓練・模擬攻撃を継続実施し、監査委員会の監督下で復旧計画やベンダー管理も整備しています。