STATE STREET CORPSTT

時価総額
$323.1億
PER
機関投資家向け投資サービスと資産運用の世界最大手。カストディやファンド管理、統合プラットフォームやETF提供を展開。2018年に投資運用ソリューション企業買収、2024年にグローバル投資サービス買収で事業拡大。100超の市場で米国・欧州・アジア中心に展開。

ランドスケープPowered by 会社四季報オンライン

企業概況
116文字)
業績概況
テーマ
1項目)
ブランド
1項目)
ライバル企業
4社)
同業種の日本企業
1社)

事業内容

State Street Corporationは世界中の機関投資家向けに資産の保管・運用・関連業務を一体的に提供する大手金融サービス会社です。同社はカストディ(資産の保管・決済)、ファンド会計・管理、証券貸出や資金調達、外為やマーケット取引などを主力サービスとして提供しています。

主要顧客は年金基金、投資信託・運用会社、保険会社、基金や財団、中央銀行などの機関投資家や富裕層向けの資産運用事業者です。同社の収益は預かり資産や運用資産に対する手数料と、取引や貸付・為替といった市場関連の収入が中心で、資産残高や取引量の変動が業績に直結します。

事業は大きく「インベストメント・サービシング」と「インベストメント・マネジメント」の二本柱で構成されています。前者はバック・ミドルオフィスを統合するプラットフォーム(State Street Alphaやチャールズ・リバーなど)で運用管理、報告、データ分析やデジタル資産の保管まで支え、後者はSPDRのような上場投資信託や株・債券・マルチアセット、代替運用と機関向けの委託運用サービスを展開しています。

経営方針

同社は収益拡大と資本の健全性を両立する成長戦略を掲げています。2024年は総収益が前年から約9%増加し、運用管理手数料は13%増と市場上昇と純流入に支えられました。顧客資産規模では、運用受託資産(AUC/A)が約46.56兆ドルで前年から11%増、運用資産(AUM)は約4.72兆ドルで15%増と着実に拡大しています。同社は資本効率の維持のために普通株式の自己資本比率(CET1)を10〜11%、Tier1レバレッジ比率を5.25〜5.75%の目標レンジに置きつつ、株主還元として2024年に約22億ドルを配当と自社株買いで還元する方針を示しています。

同社は「ワンストップ」での関係構築と横展開を差別化の柱としています。カストディ(保管)や決済といったバックオフィス業務に加え、為替仲介、証券貸借、そして運用商品の提供までを組み合わせて提供することで、顧客ごとに複数サービスをクロスセルすることを重視しています。技術面ではState Street AlphaやCharles River(前線の運用支援ソリューション)を中核に、ポートフォリオ管理から取引・決済・リスク分析まで一気通貫で提供することが競争優位性です。加えて、新たに受注した資産サービス案件は約2.33兆ドルにのぼり、2024年に約1.35兆ドルを導入するなど、大口案件の取り込みで規模のメリットを拡大しています。

新市場・事業拡大については、デジタル資産やウェルス(富裕層向け)サービス、プライベートマーケット向けソリューションの強化に注力しています。デジタル資産については「トークン化」と保管を含むエンドツーエンドのインフラ提供を目指しており、プライベート投資向けにはCharles Riverの私募向け機能を展開しています。成長のための外部取り込みも積極的で、近年のCF GlobalやMercatusの買収・統合を通じて技術・顧客基盤を拡充し、インドでのジョイントベンチャー統合により運用モデルの変革と効率化(2024年末時点で従業員数は約53,000人、インド統合で約17%の増員)を進めています。

技術革新には明確な投資を続け、業務の自動化・データ活用・セキュリティ強化で差別化を図っています。State Street AlphaやCharles Riverを通じたフロント〜ミドル業務の統合、データ管理と解析基盤の強化、AI導入の検討とサイバー対策の強化などで運用効率を高め、組織簡素化やプロセス改善で2024年は生産性向上により費用を前年から1%削減しています。また、モデル運用や資本管理の面では定期的なストレステストやリスクレビューを実施し、戦略リスクと運用リスクの両面を見据えた堅牢な統制体制を維持しています。