Sitio Royalties Corp.STR

時価総額
$14.4億
PER
37.9倍
鉱区・ロイヤルティ保有の大手。鉱区権利の取得と管理を展開。2022年6月の合併や2022年12月の買収でNRAs約132,700取得。2024年は売上の84%が原油収入で、米国主要盆地(デラウェア、ミッドランド、イーグルフォード等)中心に展開。

事業内容

Sitio Royalties Corp.は、米国内の良質な鉱業権とロイヤルティ権益を取得・保有し、それらから得られる収益を株主還元や負債返済、再投資に充てることを目的とする会社です。 同社は自ら油井を運営せず、鉱区を探鉱・生産会社に貸与して生産に応じたロイヤルティ収入を得ています。

同社の顧客は主に大手エネルギー企業や探鉱・生産会社で、鉱業権・ロイヤルティ収入が売上の大部分を占めています。 売上は生産量と商品価格の変動に強く影響され、リースボーナスや遅延賃料といった一時的な収入も補助的な収益源です。

同社は米国の主要産地に分散して鉱区を保有し、ポートフォリオの拡大は買収を通じて進めています。 収益構成は石油寄りで、2024年は原油が収益の大半を占めたため価格変動に敏感であり、費用面では掘削や操業費を負担せず主に税金や一般管理費、資産の減耗費が主要な支出となっています。

経営方針

Sitioは投資家還元を成長戦略の中核に据えており、営業キャッシュフローを配当や自社株買いで株主に還元することを目指しています。同社は2024年2月に総額2億ドルまでの自社株買い枠を取締役会で承認しており、同年10〜12月期だけで642,781株、約1,290万ドルを買い戻しました。配当については取締役会が四半期ごとに裁量で決定しており、2024年の各四半期では1株当たり0.41ドル(3月期、支払額約3,306万ドル)から0.28ドル(9月期、支払額約2,218万ドル)まで支払われていますが、将来の配当は業績や資本条件、借入契約の制約を踏まえて判断されます。

投資の重点は鉱区・ロイヤリティ権益の取得と管理にあり、同社は自ら掘削や開発費を負担しない「資本集約度の低い」事業モデルで差別化しています。保有する権益は1/8ロイヤルティ換算で約273,100区画に相当し、2024年の平均日次生産は38,517 BOE/日(うち原油19,128バレル/日)と高い生産性を持ち、収益構成も2024年は原油が約84%を占めるなど収益性に偏りがあります。これまでに209件の買収を実行しており、2024年には総額約3.501億ドルの鉱区買収を完了するなど、良質な鉱区・信頼できる操業者を厳選して取得することで、キャッシュフロー創出力を高める差別化を図っています。

新市場開拓と事業拡大は買収による既存ポートフォリオの最適化で進められており、非中核資産の売却による資金再配分も実行しています。具体的には2023年12月にAppalachianおよびAnadarkoの権益を約1.133億ドルで売却してリボルビング・クレジットの返済に充当し、反対にBrigham買収(2022年)で約86,500区画を取り込みました。今後も地質の質、操業者の能力、残存成長余地、投資回収率を主な基準に、買収が増益に寄与する案件を優先して検討する方針であり、必要に応じてリボルビング・クレジットや2028年償還のシニアノート等で調達を行う計画です。ただし、借入契約の制約や資本市場環境によっては買収や配当・自社株買いの余地が制限される点は留意が必要です。

技術的な取り組みでは情報保護と業務継続性の強化を重視しています。具体的にはファイアウォールや検知・監視システムの導入、インシデント対応計画の整備、従業員向けの年次セキュリティ研修、最小権限アクセスと多要素認証の運用、端末や機密データの暗号化、外部専門家による第三者評価と是正策の実施などを行っています。これらのサイバーリスク管理は取締役会と監査委員会の監督下にあり、財務報告面でもCOSO基準に基づく内部統制の有効性を経営陣が評価し、KPMGによる外部の適証も受けています。これらの施策は、安定した収益還元と資産価値の保全を支える重要なインフラとして位置づけられています。