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SUNPOWER CORPSPWR
事業内容
SUNPOWER CORPは太陽光発電の設計・販売・設置を手掛ける企業で、高効率の太陽光パネルや家庭用蓄電池、システムの監視・管理ソフトといった一体型ソリューションを提供しています。住宅向けに製品を供給し、設置から保守までワンストップで対応しています。
同社の主要顧客は住宅所有者とその販売代理店で、直販と代理店経由の両チャネルで販売しています。収益は製品販売や設置サービス収入に加え、住宅向けリースやローンなどの金融商品からの継続的な収入で構成されています。
同社は住宅用システム(太陽光パネル、蓄電池、運用ソフト、設置・保守)を事業の中核に据え、かつての企業・産業向けソリューション事業は2022年に売却して事業構成を整理しています。販売代理店への戦略的出資や金融サービスを通じて拡大を図る一方で、部品供給は限られた供給先に依存しており、供給や貿易政策の変化が事業に影響を及ぼしやすい点が特徴です。
経営方針
SunPower(同社)は住宅向けの太陽光発電と蓄電池を中心に事業を再編し、長期的な収益成長と市場シェアの拡大を目指しています。2022年に商業・産業向け事業(C&I Solutions)をTotalEnergiesに売却し、買収代金の一部として純現金約1億4920万ドルを受領して事業資源を住宅分野へ集中させました。直近の投資状況では研究開発費が約2476万ドル、販売管理費が約3億3932万ドル(売上に対して約20%)と、成長への先行投資を継続しています。
同社は差別化のために「高品質なシステム」「顧客体験」「保証とサービス」の強化に重点投資を行っています。具体策として、販売チャネル強化のためのDealer Accelerator Programで複数の地域ディーラーに少額出資を行い(例:Freedom Solarへの940万ドル出資で持分4.5%など)、優先的な機器供給やリード獲得支援を提供しています。さらにデジタル化やマーケティング、営業人員の増強、基幹業務システム(ERP)の導入などで販売効率と顧客対応力を高め、単に価格競争に陥らない「品質+サービス」軸で差別化を図っています。
新市場開拓では、買収したBlue Ravenによりカリフォルニア外の北西部・中西部・大西洋岸など未開拓の住宅市場への拡大を進めています。連邦のインフレ抑制法(IRA)などの税制優遇を追い風に、住宅向けシステムと蓄電池の普及を加速させる計画で、特にカリフォルニアの新しい電力買取制度(NEM 3.0)を受けて蓄電池を組み合わせた提案へ販売戦略をピボットする方針です。これら拡大には、営業網への資本投入と在庫・物流の強化を組み合わせて対応しています。
技術革新についてはソフトウェア開発や製品信頼性の向上に注力しており、2022年度のR&D投資増加(約2476万ドル)はソフト開発の資本化や人員増を反映しています。製品品質管理の面では過去に第三者製コネクタの問題で約1980万ドルの修繕費を計上した経験を踏まえ、サプライヤー管理や出荷前検査の強化を進めています。また、太陽光と蓄電池を連携させる制御ソフトや顧客向けのエネルギー管理機能を改良することで、住宅の電気代削減と停電時のレジリエンス向上を実現し、競合との差を広げる取り組みを継続しています。