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- SENSTAR TECHNOLOGIES LTD.
SENSTAR TECHNOLOGIES LTD.SNT
事業内容
SENSTAR TECHNOLOGIES LTD.は周辺侵入検知と映像管理を中心とした物理セキュリティ製品を開発・製造・販売しています。同社はフェンスや埋設型などの周辺侵入検知システムに加え、映像管理ソフト(VMS)や知能映像解析(IVA)、入退室管理(EAC)などを主力製品として提供しています。
主要顧客は政府機関や空港・港湾、発電所や石油・ガス施設、物流センター、矯正施設など高い安全性を求める公共・産業分野が中心です。同社の収益はハードウェア販売が大きな割合を占める一方で、ソフトウェアライセンス、保守・サービス、導入支援などの継続的な収入も重要な構成要素となっています。
事業は製品部門に集中しており、周辺検知、映像管理、入退室管理を統合した共通プラットフォームでの提案を強化しています。具体的な製品ラインはスマートフェンスや埋設・トンネル検知、照明連動センサー、サーマル観測装置、パイプライン向け干渉検知などを含み、顧客の運用を一元化するソリューション提供に注力しています。
経営方針
同社は売上高と営業利益の拡大を最重要の成長目標としています。2022年に統合型プロジェクト部門を売却して製品・ソリューション事業に特化する戦略を明確にし、地域別に販売組織を集約(アメリカ大陸、EMEA、APAC)することで収益性の改善を図っています。指標としては「売上高と営業利益」を主要KPIに据えており、2022年の売上高は約3,560万ドルでした。需要が拡大した場合には人員を補強する方針で、2022年末の従業員数は158名となっています。
同社は重点投資分野として、重要インフラ、エネルギー(石油・ガス等)、物流、矯正施設といった「戦略的垂直市場」を挙げています。差別化策としては、周辺侵入検知システム(PIDS)、映像管理ソフト(VMS)、映像解析(IVA)、入退室管理(EAC)を組み合わせた包含的なソリューションを提供する点を強調しており、既存顧客との関係強化やOEM提携、補完技術の買収により製品ポートフォリオの幅を広げる具体策を進めています。Aimetisの技術統合により映像解析とVMSの機能が強化された点も差別化の一例です。
新市場開拓では、2022年にSenstar Chinaを設立するなど中国市場への本格参入を行い、東欧など新興市場でのプレゼンス拡大も志向しています。同社は北米・欧州・APACでの販売強化を続ける一方、戦略的買収や合弁を通じて顧客基盤と製品ラインを広げる計画です。加えて、北米向けに「Made in USA」版の製品を投入するなど地域別の製造・供給戦略も取り入れており、需要増加に対応するための採用とサプライチェーン管理も重要施策となっています。
技術革新については研究開発と顧客密着の開発プロセスを重視しており、自社設計のセンサーや映像解析技術に加え、外部からのノウハウ取得やOEMを活用して製品機能を磨いています。知財面では米国での特許保有などにより基盤を固め、製造は主にカナダ拠点で行いながら低遅延で信頼性の高いシステム構築を目指しています。資本支出は抑制傾向(2022年の設備投資は約20万ドル)ながら、ソフトウェアとシステム連携への投資で統合型の監視・運用プラットフォームを進化させる方針です。