Summit Midstream Partners, LPSMLP

時価総額
$3.9億
PER
非在来型資源向け中流エネルギーインフラ事業の有力企業。ガスの集荷・圧縮・処理サービスを展開。2022年12月にDJ盆地の資産を合計約3.05億ドルで買収。米国のウィリストン、DJ、ユーティカ、マーセラス、バーネット、パイシャンス、パーミアン各盆地で展開。

事業内容

Summit Midstream Partners, LPは米国のシェールなどの非在来型資源が産出される地域に立地する中流エネルギーインフラを開発・保有・運営する限定パートナーシップです。同社は天然ガスや原油の集積(ギャザリング)、圧縮、処理、パイプライン輸送、そして生産水の管理といった中核サービスを提供しています。

顧客は主にシェール開発を行う石油・ガスの生産会社で、地域ごとの掘削や生産活動に依存しています。同社の収益は通過するガスや油の量に応じた手数料が中心で、多くが固定料金型の長期契約になっているため商品価格の変動に左右されにくく収入の安定化につながっていますが、一部はガスや液体の販売や価格連動の手数料で商品価格変動の影響を受けます。

事業は地理別のセグメントで運営しており、ウィリストン、DJ、ウティカ、マルセラス、バーネット、ピースアンス、パーミアンなどの主要盆地で活動しています。同社の事業は集積・圧縮・処理設備や水処理・パイプラインといったインフラからなり、近年の買収を通じてガス処理能力や展開地域を拡大し、長期契約や最小販売量条項で需要変動に対する収入の下支えを図っています。

経営方針

同社は長期的にキャッシュフローの最大化と安定化を目指しています。具体的には、営業活動による現金創出力を重視し、2023年は約1.27億ドル($126.9 million)の営業キャッシュフローを確保しつつ、投資支出を約6,890万ドル($68.9 million)としながら負債削減へ振り向けることで資本構成の最適化を図っています。加えて取締役会は2023年10月に外部アドバイザーを招いて戦略的選択肢(資産売却、資本再編、合併・売却等)を検討するプロセスを開始しており、これによって株主価値の最大化を目指している点も成長の柱です。

同社は主に長期の固定手数料契約による収益を重視することで差別化を図っています。集荷(gathering)、圧縮、処理・トリーティングといったミッドストリーム業務が売上の中心で、これにより商品価格変動の直接リスクを抑制することを目指しています(ただし2023年は物理販売など価格変動に直接連動する活動が総収入の約39%を占めており、完全に無縁ではありません)。また、最低売上保証(MVC)や堅固な顧客関係を通じて稼働率の最大化と安定供給を追求し、安全・信頼性の高い運用を維持することを差別化の重要施策としています。

新市場開拓と事業拡大では、買収によるエリア拡大と既存資産の統合によるシナジー創出を進めています。例としてDJ盆地でのOutrigger買収(総額約1.676億ドル)とSterling買収(総額約1.404億ドル、2022年完了)によりガス処理能力と配備を拡大し、2023年に統合作業とコスト面での相乗効果の実現を進めました。さらに同社は機会があれば追加買収や資産売却、合弁事業を実施する考えで、資本調達面では2023年に約2.095億ドルの新規無担保債(2026年満期)を発行して既存の2025年債の一部を交換・買戻しするなど満期の延長と再編も実行しています(2025年満期債の残高は2023年末時点で約4,980万ドル)。

技術革新への取り組みとして、同社は運用の効率化と安全性向上を目的に企業向けITと現場の運用技術(OT)への投資、従業員教育や標準手順の整備を継続しています。同社はIT/OTシステムへの依存度が高くサイバーリスクを認識しているため、防御体制と復旧計画の強化を進めています。また、金利指標の移行対応としてLIBORからSOFRへの契約修正を実施するなど金融面の技術的対応も行っており、従業員は2023年末で244名と比較的小規模な組織ながらトレーニングと安全対策で運用の安定を図っています。