SMITH MIDLAND CORPSMID

時価総額
$1.8億
PER
プレキャストコンクリート製品の有力企業。高速道路用バリア、SlenderWallや建築用パネル、バリア賃貸を展開。受注残は2025年3月3日時点で約5950万ドル。2023年Q2のワイヤーフロード被害と2024年の内部統制弱点開示。米国東部の3工場で生産。

事業内容

SMITH MIDLAND CORPは、工場で製造するプレキャストコンクリート製品やシステムの開発・製造・販売・設置を行い、コンクリートバリアのレンタルや技術ライセンスも手掛けています。同社は道路や建設、公共インフラ、農業向けに耐久性の高い部材を提供しています。

主要顧客はゼネコンや連邦・州・地方の運輸当局が中心で、売上は製品販売、現地での設置サービス、バリアレンタル、ライセンス収入で成り立っています。同社は入札を通じて受注し、受注残(バックログ)が事業の見通しに影響し、冬季に売上が落ち込む季節性もあります。

事業は三つの製造拠点を軸に、コンクリートバリア、遮音壁、建築用外装パネル(スレンダーワール等)、組立式建築システムなど複数の製品ラインで展開しています。同社は製造に加え設置やレンタル管理、技術保護や試験による差別化で市場競争力を維持しています。

経営方針

同社は持続的な成長を目指しています。直近の受注残(バックログ)は2025年3月3日時点で約5,950万ドル(前年同時期の約6,080万ドルとほぼ同水準)で、大口インフラ案件や建築用薄型壁材(SlenderWall)の入札を通じてこれを拡大することを目標としています。同社は近年、製造能力増強とバリアレンタル車両の拡充に多額の投資を行っており、こうした設備投資が続くことで売上拡大を図る一方、2024年末時点で現金が減少していることや負債が相対的に大きい点は注視すべき点です。

同社は設備と製品ラインへの重点投資を通じて差別化を図っています。主力の製造拠点はバージニア州ミッドランド(製造施設約4万4千平方フィート、敷地約58エーカー)、ノースカロライナ州リードスビル(敷地46エーカー、2024年に工場を倍増)、サウスカロライナ州ホプキンス(生産スペース約4万平方フィート)の三拠点で、これらにより米東部・南部の広域需要に対応可能です。加えて、FHWAや各州交通当局の承認や衝突試験など規制対応や独自の試験データを有し、製品の耐久性や納期、カスタマイズ性で競合に対する優位性を保とうとしています。

同社は新市場の開拓と事業拡大にも取り組んでいます。一般建設業者や連邦・州・地方の交通機関を主要顧客とし、レンタルバリアやライセンス事業を含めた多角的な販売チャネルで大規模インフラ工事や建築用途へ売上拡大を狙っています。受注は季節性(冬季の需要低下)や経済環境、政府のインフラ投資に左右されるため、同社は幅広い製品群とレンタル在庫の活用で受注機会を確保し、複数年にわたる案件にも対応できる体制を整備しています。

同社は技術革新と内部統制の強化を重視しています。生産面では「リーン」活動を継続し、不良削減と生産能力向上を目指して工程の効率化や従業員教育を進めています。情報管理面ではサイバーリスク対策として従業員向けの模擬メール訓練や年次教育、外部専門家の活用を実施し、過去のインシデントを踏まえた追加対策を導入済みです。また財務報告の信頼性向上に向けて最高財務責任者の採用や統制の再設計、COSO基準に沿ったエンティティレベルの統制導入など具体的な是正措置を講じています。