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SM Energy CoSM
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事業内容
SM Energy Companyは独立系のエネルギー企業で、テキサス州とユタ州を中心に原油、天然ガス、NGL(天然ガス液体)の探査、開発、採掘を行っています。同社は自ら資産を掘削・生産し、その産出物を市場で販売して収益を上げることを主力としています。
同社の主要な顧客はパイプライン事業者、電力会社、地方のガス配給会社や産業ユーザーなどで、売上は原油・天然ガス・NGLの販売から成ります。収益は世界的な商品価格や季節需要に影響を受けやすく、同社は得られた現金を配当、債務返済、自己株買いなどで株主価値に還元する方針です。
同社の事業は地域別の資産運営が中心で、ミッドランド盆地(西テキサス)、マーベリック盆地(南テキサス)、そして近年取得したユインタ盆地(北東ユタ)での開発が主力です。各地域では既に生産中の開発済み地と、将来の掘削を見込む未開発地を組み合わせて採算性を高めることに注力し、掘削・完了・生産の実行や戦略的な資産取得で資産価値の最大化を図っています。
経営方針
同社は持続的な価値成長と安定した株主還元を両立することを目指しています。直近では、配当と自社株買いを通じた還元を重視しており、2024年には年間配当を0.74ドルから取締役会が承認した11%増の0.80ドル(年額、四半期ごとに0.20ドル)に引き上げ、同年に総額約8500万ドルの配当を支払いました。株主還元のもう一つの柱として、2024年6月に最大5億ドルまでの自社株買い枠を再承認しており、同年は177万1,191株を取得・償却して約8400万ドルを使っています。加えて、財務の健全性を保ちながらも戦略的な成長投資を行うため、社債発行(2029年および2032年のシニアノート)と借入を組み合わせて大型買収を実行する資金計画をとっています。
同社は重点的に投資する地域としてテキサスのミッドランド盆地とサウス・テキサスのマーベリック盆地、そして2024年に大型買収で参入したユインタ盆地を掲げています。資産ポートフォリオの規模は、ミッドランドで約109,900ネットエーカー、サウス・テキサスで約154,800ネットエーカー、ユインタでは同社の持分80%で約63,300ネットエーカーと公表しており、良質な掘削候補地を優先的に拡大することで差別化を図っています。加えて、掘削・完成コストの管理や資本支出の規律を徹底することで、価格変動に対しても収益性を確保することを同社の差別化戦略としています。
同社は新市場開拓と事業拡大を、買収と自社開発の併用で進めています。2024年のユインタ盆地取得は、同社の80%持分に関し調整後取得価額を約20億ドルとして、主に既存の石油・ガス埋蔵資産と関連施設(輸送・処理や用水管理等)をまとめて取得した点が特徴で、取得後の統合で生じる重複コストの解消や運営効率の向上を通じて早期に投資回収を図る計画です。同社は、この統合を短期的な運営課題と捉えつつ、売上とキャッシュフローを拡大して配当や債務削減、自社株買いといった株主還元へつなげることを目指しています(なお買収は引渡し後の価格調整を前提としており、最終調整は2025年第1四半期を見込んでいます)。
同社は技術革新を運営効率と安全性の向上に直結させることを目指しています。掘削・完成技術やデータ解析を活用して1井あたりの生産性向上とコスト低減を追求するとともに、安全・環境(EHS)指標を役員・従業員の評価や報酬に連動させてリスク管理を強化しています。サイバーセキュリティ面でも予防的な体制を重視しており、専任責任者を置いてインフラと運用の強化を進めています。人材面ではリーダー育成や業務研修にも投資し、2024年には7,000時間超の集合研修を実施して外部からの評価(Brandon Hallの金賞・銅賞)も受けており、技術と組織の両面で競争力を高める取り組みを継続しています。