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SILGAN HOLDINGS INCSLGN
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事業内容
Silgan Holdings Incは世界的な包装メーカーで、金属缶やプラスチックのカスタム容器、ディスペンス機能や特殊キャップといった包装ソリューションを製造しています。同社は食品やペットフード、化粧品・パーソナルケア、医療・ヘルスケアなどの必需品向けに、耐久性や機能性を重視した容器を供給しています。
同社の主要顧客にはプロクター・アンド・ギャンブル、ゼネラル・ミルズ、クラフトハインツ、マース、コングラ、マコーミックなど著名な消費財メーカーが含まれます。同社の収益構造は事業別に偏りがあり、2024年はディスペンス・特殊キャップが約39%、金属容器が約49%、カスタム容器が約11%を占め、多くが数年単位の供給契約により安定した売上基盤を築いています。
事業は大きく三つのセグメントで展開しており、ディスペンス・特殊キャップは化粧品や家庭用洗剤、食品向けの精密な吐出システムと装飾オプションを提供しています。金属容器は食品用のスチール・アルミ缶で北米・欧州で強い地位を持ち、カスタムプラスチック容器は各種樹脂を用いた成形と装飾で顧客仕様に応じた製品を製造しています。世界に多数の製造拠点を持ち、地域に近い供給体制で納期とコストの競争力を確保しています。
経営方針
同社は株主価値の向上を最優先に、買収と自社成長の両輪で拡大を図ることを目指しています。2024年の連結売上高は約59億ドルで、買収と有機成長により市場シェアを高める戦略を採っています。資本政策では「合理的なレバレッジを活用して成長を支える」方針を掲げ、例えば2024年にはWeener Packagingの取得(買収対価は純額で約9.2億ドル)をクレジットファシリティと手元資金で賄いました。一方で生産最適化の取り組みにより2024年に約2,000万ドルのコスト削減を実現し、2025年にはさらに約3,000万ドルの追加削減を見込むなど、持続的な利益改善も目標にしています。
同社は重点的にディスペンシング(噴霧・ポンプ等)と特殊キャップ、金属容器、カスタム樹脂容器の三分野に投資し、ここでの競争優位性を築くことを目指しています。2024年の事業別ではディスペンシング等が約23億ドル(連結の約39%)、金属容器が約29億ドル(約50%)、カスタム容器が約6.5億ドル(約11%)といった比率で売上を形成しており、ディスペンシング部門の営業利益は約2.9億ドル、金属容器部門は約2.29億ドルと、高い収益貢献をしています。差別化は「製品の品質・供給の安定性・長期供給契約」に基づくもので、北米・欧州など123の製造拠点(ディスペンシングは62拠点、金属容器39拠点、カスタム22拠点)を通じて顧客密着を図る点が強みです。
同社は成長の手段として買収を積極的に活用しており、事業拡大は今後も買収と有機成長の組み合わせで進めることを目指しています。近年では2020年のAlbéaディスペンシング事業、2021年のSilgan Specialty Packaging/Unicepの取得、2024年のWeener取得などにより、パーソナルケアや医療分野、食品向けの精密供給技術や販路を広げてきました。Weenerの買収で欧米中心に19工場・約4,000名の体制を取り込み、今後は医療向けや検査用のディスペンシングなど隣接市場への拡大を狙う一方、案件選定は「キャッシュ収益性の厳格な評価」を前提にしているため、買収が見つからない場合は債務返済や自社株買い、増配などで資本効率を高める柔軟性も確保しています。
同社は技術革新を通じて製品差別化と生産効率向上を図ることを目指しています。具体的には高度な製造技術やクリーンルーム設備、精密ポンプやフォーム剤の開発、シーリング材の処方設計、充填・封緘(ふうかん)機や検出装置の導入などに投資しており、これらを組み合わせた「一体型の包装ソリューション」を顧客に提供しています。買収により獲得した独自技術や設備は評価・統合段階にあり、無形資産や設備の価値評価では割引率や成長率といった前提が重要になりますが、同社はこれらを活用して製品の差別化と生産コスト低減の両面で競争力を高める計画です。