SITE Centers Corp.SITC

時価総額
$3.7億
PER
ショッピングセンター賃貸・運営の有力企業。テナントリーシング、資産運用、再開発プロジェクトを展開。2024年10月1日にCurblineへスピンオフ、2024年に40物件を総額2,325.9百万ドルで売却。米国15州で展開。

事業内容

SITE Centers Corp.は全米でショッピングセンターを保有・運営する不動産投資会社です。同社は郊外の生活密着型や日常必需品を扱うテナントを中心に誘致し、賃料収入と資産売却・再開発によって収益を確保しています。

主要な顧客はTJXやDick's Sporting Goods、Burlington、Kroger、PetSmartといった大手小売業者で、上位テナントが賃料収入の重要な部分を占めます。同社の収入の大半は長期の基本賃料で構成されており、2024年末時点の稼働率は約90.6%、平均賃料は平方フィート当たり約19.64ドルでした。

事業は自社保有のショッピングセンターと共同出資で保有する物件の二本立てで、2024年末時点で合計33件(うち11件は共同出資)を運営しています。同社は入居率向上や賃料改定、テナント入れ替え、選別した資産売却や再開発で価値を高める戦略をとっています。また、同社は税制上REITとしての扱いを選択しており、配当方針は営業収益や資産売却の状況に左右されます。

経営方針

同社はスピンオフや大規模な資産売却を通じてポートフォリオを再編し、株主価値の最大化とバランスシートの健全化を目指しています。2024年には40物件を総額約2,325.9百万ドルで売却し、同年末時点の有利子負債は約306.8百万ドル、加えて530百万ドルのモーゲージ・ファシリティをクローズするなど、負債構成の見直しを進めています。今後も市場環境や評価差を踏まえて追加の資産売却を検討し、得た資金は借入金の返済や必要に応じた株主還元に充てる計画であり、配当政策も事業収益と売却収益を勘案して柔軟に運用する方針です。

同社は郊外の高所得世帯が集中する地域にフォーカスし、価値志向や利便性を重視する小売テナントを中核に据えることで差別化を図っています。主要テナントはTJXやDick's、Burlington、Kroger、PetSmartなどで、最大でも約4.6%の賃料比率にとどまり収益基盤は分散されています。稼働率はプロラタベースで90.6%(2023年89.5%)に回復し、占有平方フィート当たりの平均年額賃料は19.64ドル(2023年19.42ドル)と上昇、2024年の新規・更新でのキャッシュ賃料スプレッドは新規で14.2%、更新で7.4%(ブレンド7.8%)とマーケットでの価格改善を実現しています。

同社の事業拡大は選別した取得と合同事業(JV)への投資、及び戦術的な再開発を組み合わせる形で進められています。2024年には土地と16件のショッピングセンターを合計約237.9百万ドルで取得するなどの取引を行い、同年末のポートフォリオは15州に33センターを保有しています。空室の再テナント化や賃料引き上げを成長機会と位置づけており、2024年の新規リースにかかった改装・仲介コストは平均で賃貸可能平方フィート当たり約6.85ドルと、必要資本を見込んだ上での成長投資を行っています。一方で、シアター等一部用途のリーシング機会は限定的であり、テナント交代には追加の設備投資が必要になるケースがある点も明示しています。

同社はリスク管理と意思決定の精度向上のためにデータと管理体制を重視しています。テナントの信用プロファイルを定期的にモニタリングし、金利感応度は評価モデルで算定、必要に応じて金利スワップ等で変動金利リスクをヘッジする検討を行う一方で、投機目的のデリバティブ取引は行わない方針です。開示・内部統制面でも、2024年12月31日時点での財務報告に係る内部統制は有効と判断され、独立監査人による監査も完了しているため、投資判断に資する透明性とリスク管理体制を維持しています。