SIGA TECHNOLOGIES INCSIGA

時価総額
$4.5億
PER
生物脅威対策用医薬品の有力企業。経口・静注抗ウイルス薬TPOXX®を展開、2018年7月にFDA承認。2024年6月に国際販促権をMeridianから再取得、同年国際売上は13カ国で2300万ドル。米国中心に欧州・アジアへ展開、2024年総売上は1.387億ドル。

事業内容

SIGA TECHNOLOGIES INCは生物学的脅威に備える医薬品の開発・供給を行う企業で、主力製品は天然痘治療薬のTPOXXです。TPOXXは経口製剤と点滴(静脈注射)製剤があり、備蓄や緊急時の配備を目的に製造・販売しています。

同社の主要顧客は米国政府(保健関連機関や国防省)で、政府調達契約が売上の大部分を占めています。加えて外国政府や医療機関、国際機関への輸出も拡大しており、製品の納品時点で売上を計上する取引が中心です。

事業としては製品の製造・供給に加え、政府向けの開発や支援サービスも手がけており、収益は納品型の売上とサービスの進捗に応じた売上に分かれています。国際展開ではプロモーション権の見直しを進めて直販体制を強化しており、製造や流通は外部の委託先と連携している点が特徴です。

経営方針

SIGAは主に抗ウイルス剤「TPOXX®」の販売と政府向け備蓄契約を核に成長を図っています。同社は売上の拡大を目指しており、2024年の連結売上高は約1億3,870万ドル(うち製品出荷は約1億100万ドル、その他サービスは約540万ドル)でした。米国の政府機関向け契約(BARDAや国防総省)が収益の重要な柱であると同時に、株主還元にも配慮しており、2024年には1株あたり0.60ドルの特別配当(支払総額は約4,300万ドル)を実施しています。市場価値は2024年6月30日時点で約3.51億ドル、発行済株式数は2025年2月14日時点で71,436,927株です。

同社は供給網と契約遂行能力への重点投資を行い、差別化を図っています。製造は第三者委託(CRO/CMO)を組み合わせて安定供給を確保しており、米国政府の調達契約やPREP法に基づく救済(製造・使用に関する免責)といった制度的優位性を持つ点が競合との差別化要素です。また、TPOXXは2018年にFDA承認を受け、希少薬としての独占的な規制上の保護は2025年7月まで続くため、同社は当面の競争優位を維持することを目指しています。従業員数は少数精鋭の46名(2025年2月時点)で、効率的な運営を重視していますが、必要に応じた追加資金調達の可能性も認識しています。

海外展開と事業拡大にも積極的です。同社は国際販売の拡大を目指しており、2024年には13カ国への納品で約2,300万ドルの国際売上を計上しました。2024年6月に国際プロモーション権を再取得し、従来パートナーであったMeridianとは高位のシングル桁%の手数料契約(既存の一部契約の回収はMeridianが担当)を継続する体制です。同社は直販体制の構築や現地政府・NGOとの継続的な契約獲得を進め、米国以外での繰り返し需要を増やすことを目指しています。

技術革新と製品開発にも取り組んでいます。同社は既存の経口TPOXXに加え、静脈内製剤の供給実績もあり(国防総省向けに一部納品)、さらなる開発プログラムの進捗と承認取得を通じて製品ラインの拡充を目指しています。加えて、財務報告・内部統制は外部監査法人による評価で有効とされており、サイバーセキュリティ対策や品質管理体制の強化にも投資しているため、製品の安定供給と規制対応力を高めることを同社は目標としています。